12話:紅葉ちゃん3
紅葉ちゃんとお泊まり会だよ。
スヤスヤと可愛い寝息を立てながら眠っている紅葉ちゃんを見ていると、今日見た紅葉ちゃんとの行動が全て嘘だったんじゃないかとすら思えてくる。それほどに可愛らしい寝顔だった。
お姉さんも良く私の寝顔を眺めて居たらしいけど、なるほど可愛い女の子の寝顔は眼福だね。
3時間ほど経った頃だろうか、もうすっかり日も沈んで紅葉ちゃんは目を覚ましたのは猫のように伸びをしてから、ベットから起きた紅葉ちゃんと夕飯を一緒に食べながらさっき聞けなかった話をした。
紅葉ちゃんは詳しい能力に付いては自分も良くわかっていないらしけど、現在3種類の能力を持っているとの事だ。もう既に勝ち確定なんじゃないかなとすら思えてくる。
紅葉ちゃん曰くあの悪魔が持っている能力は2種類ぐらいだろうとの事。
紅葉ちゃんが現在持っている能力は
1つは、音楽室で絵画から手に入れた視認している範囲の対象に影響を与える力
これは対象に動けないと意識に刷り込ませて金縛りにしたり、対象の意識を操って自分の虚像を見せている間に相手に近づく事で瞬間的に動いてみせたりするらしい。かなり強いね
1つは、悪魔の影に飲み込まれた時に影を操る力を会得したらしい
さっきみたいに自分の影を操ってチャイムを鳴らしたり、ドアを開けたりだけど、あまり精度は高くないらしく、離れすぎると維持できないらしい。
1つは、最初に手に入れた自身の核を作り核が無事なら再生できる力
この能力のお陰で悪魔の攻撃を退けたのだとか、核は自由に動かせるとの事。チート能力ですね
そしてこの悪魔の残滓を持っているものならほぼ確実に使える悪魔の残滓を集める力
最後の力は6種類に入るのかすら解らないので、3種類の力をもっているとの事だ。
悪魔が持っているのは
1つは、存在を曖昧にする
1つは、影を操る(恐らく少し弱体化しているのでは無いだろうか)
影を操る能力は私を丸呑みにした時に悪魔の残滓を少し奪う事で、影が操れるようになったので、恐らくあのとき悪魔が3種類以上悪魔の残滓を集めていたら、仮に腕が残ろうと、悪魔の残滓そのものを全て食われてしまい。再生が出来ずに死んでいただろうから。
なのであの悪魔があの時持っていた悪魔の残滓は2種類だろうとの事だった。
悪魔の残滓はより大きな方に集まって行く傾向があるそうだ。
「えっとなんか凄いね、でもなんで紅葉ちゃんも悪魔も私に近づいてくるの?私にはそんな異能な力なんて無いんだよ」
小さく首を振る紅葉ちゃん、仕草かわいいなもう
「悪魔は言ってたかはわからないけどね、ユウキちゃんには間違いなく1つ力があるよ」
「えっ嘘」
「嘘じゃないよ、あの音楽室にあった悪魔の残滓を簡単に見つけたでしょ」
「えっとつまり、悪魔の残滓を見つける能力って事?」
なにそれ凄く地味なんだけど。
「ユウキちゃんは勘違いしてるかもしれないけど、悪魔の残滓を6種類と仮定するけど、私が意識を操る能力と悪魔の存在を曖昧にする能力は同じ精神制御の能力かもしれないんだよ。」
同じ能力が被っている?
「私の能力の方が効果は上だけどね、仮のはなしだけどね意識を操る力が100あったとして、私が40所持していて悪魔が10所持して未所持が50あるとしてね」
「ユウキちゃんの能力で残り50を悪魔が見つけて吸収したら悪魔の能力が60私が40で悪魔が逆転して私を倒せるようになるかもしれないんだよ」
なるほど、能力者同士のバトルなんてのは最終手段で散らばっている、悪魔の残滓を集めるのに私の能力はこれ以上ないほど役に立つのか・・・関わりたくねー
「紅葉ちゃん、この能力上げるからさ、もし全部の悪魔の力集めたらお姉さんを探すの手伝ってくれないかな?駄目かな?」
じっとこちらを見つめる紅葉ちゃん。大きく口を開けて音楽室の時みたいに吸い込もうとするが、、、
「ごめん無理そう、その力は取れそうにないや」
「そっかあ」
「ユウキも力を自覚したら、使いこなそうとすればもっとその力は強くなるよ」
そんなこと言われてもなあ、とりあえず集中してみようかな、ユウキは気持ちを落ち着けて瞑想をしてみると悪魔の残滓がロウソクの火の様に町全体あちこちに有るのを感じ取れたが、わかりにくい。だって目の前に紅葉っていう巨大なキャンプファイヤーみたいな炎があるのだから。
だけど小さなロウソクの火も近くのより大きな火に吸い込まれては融合されていくのを感じ取れる。
それになんだか火には色のような物も見て取れるそれと数字が振ってある。
「頭痛いーー」
火の色を見ようとしたら数字が書いてあったが、そこまででひどい頭痛が起きた。
大丈夫とオロオロする紅葉ちゃん、うん大丈夫大丈夫とかるく返したけど
「もう今日は遅いし寝よう紅葉ちゃん」
「そうだね、一応影であの悪魔が来たらわかるように見張りを作っておくからね」
「そう、でもあの悪魔なら来ないと思うけど」
「一応用心の為に、おやすみユウキ」
紅葉自身は気付いていなかった。悪魔の残滓を体に取り込む程にどんどんユウキに対して特別な感情を抱き始めていることに、あれほど好きだった葉隠君の事が次第に薄れていく事に、当然本人が自覚していないことをユウキに話せというのは酷なはなしだったが




