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第3話「重なり合う光」

ギルドの入団試験を受け、僕たちはベーテの群れのリーダーと戦った。

そこで僕は初めて自分の魔法(ヘクセレイ)が発動した。

そして僕たちは無事に入団試験に合格し、晴れてギルドの一員となったのだった。

入団試験を行ってから1週間が経ち、合格者たちはユグドラシル市街のとあるホールへと集められた。


「忙しいなか集まってくれてありがとう。私は魔法戦士育成機関会長のヴァンだ。単刀直入ですまないが

今日ここに集まってもらったのは、君たち合格者を6つのギルドへ振り分けるからだ」


(ついにこの日が来たか…

出来ればミランと同じギルドに入れればいいな)


ギルドは各街に1つずつあり、配属される人数を平等にする為に合格者たちはこうして1度集められた。


「今年の受験者は例年に比べ、810名とたくさんいた中、君たち60名は様々な試練をくぐり抜け、合格した

その事を誇りに思って欲しい。合格者の60名、おめでとう!」


僕たちは会長に合わせ、一礼した。


「では早速君たち一人一人には自分の名前と配属先の書かれた紙を配らせてもらう」


(緊張するなぁ。もし、知らない人しかいなかったらやっていける自信ないな...

まぁミラン以外誰が誰だかわかんないけど...)


少しして僕にも紙が配られた。

僕の配属先は唯一馴染みのあるユグドラシルのギルドだった。


(少しは安心出来るけど…

ミランはどうだったのかな)


「ミランはどこのギルドだった?」

僕は小声で訪ねてみた。

「私はユグドラシルです。海斗さんはどこでしたか?」

「僕もユグドラシルだよ。ミランと一緒でよかった」

「海斗さんと同じだなんて、安心です」


「この後、君たちには配った紙に表記されたギルドへ向かってもらう。詳しい仕事内容は向こうで詳しく説明してくれるはずだ」


ヴァン会長のありがたいお話が終わり、僕たちはホールを後にした。




その後僕たちはユグドラシルのギルドに集められた。

「どんな人が来るのかな?」

「すごく気になります」

僕たちは少し緊張しながら人が集まるのを待った。


しばらくして、少しずつ人が集まり始めた。

だが、その中に少しだけ気になる子がいた。


(あれ、あの子どうしたんだ?)


そこには10歳くらいのぬいぐるみを抱えた女の子がいた。

「ねぇ君、君一人?」

気になった僕は話しかけて見ることにした。

「どちら様ですか? あなたは」


(随分と大人っぽくて落ち着いた子だな)


「僕は広瀬 海斗(ひろせ かいと)。君は?」

「フラン」

「君は大人っぽいんだね」

「ありがとー、嬉しい!ところでさー、八つ裂きに引き裂いていい〜?」


(え、ん?)


「今なんて...」

「だからー、お兄さんの体八つ裂きに引き裂いていい〜?」

「え、君何言ってんの?」

「お兄さんしつこいなー、とにかく引き裂かれて下さい」

会話の一言目とは別人のように、フランは重度のサイコパス少女だった。


(やばい、殺される...

早くなんとかしないと)


「あ、そのぬいぐるみ可愛いね」

僕は必死に意識を逸らそうとした。

「ありがとう。褒めてくれたお礼に八つ裂きにしてあげる」

「え、お願いします。やめてください!」

僕がそう口にするとフランは足を止めた。

「ねぇ、お兄さん...

フランね、どうしてもシタイの、ダメ?」

「え、えーと」

僕は少し戸惑った。

その瞬間フランはニヤリ笑った。

「お兄さん捕まえた」

気がつくと僕の腕はフランに掴まれていた。

「さよなら、お兄さん」

僕は死を悟った。

『ガチャ』

だが、それと同時に扉の開く音がした。

「あ、副団長だ。また今度やろうね、お兄さん」

そういうとフランは僕の腕を離し、その場を離れた。


(た、助かったぁ)


僕は安堵した。

気がつくとすでに全員ギルドに集まり、副団長が僕たちの前に立っていた。

「はじめまして、私はこのギルドの副団長を務めているエルザです。以後お見知り置きを。早速ですが、今から皆さんにやって頂きたいことがあります」


(やって欲しいことってなんだろう?難しいことじゃなきゃいいけど)


「やって頂きたいこととは、二つのグループに別れてもらうことです。グループに別れてもらう理由はいくつかありますが、一番の理由はお互いの身を守るためです。他にも集団作戦の練習などの理由もあります。現時点で気になる点がある人はいますか?」

僕は気になっていた事を質問してみることにした。

「そのグループ分けはすでにギルドでされているんですか?」

「いい質問をしてくれましたね。グループ分けはすでに私たちの方でしています。そのためこの後皆さんにはグループ内で自己紹介をしてもらいます」


(自己紹介って何を言えばいいんだろう…)


「では、さっそく発表します」

僕たちの中に緊張が走った。

「チームAは

・カイト

・マルク

・フラン

・エリカ

・ミラン

の5人です」


(ミランと一緒になれて良かったー。でも、フランって子も同じチームか...

仲良く出来ればいいけど)


僕は声には出さなかったがミランと同じチームになれて内心とても喜んでいた。

だが、命の危機が増えたとも感じていた。

「続いてチームBです

チームBは

・ゴウ

・ヒース

・ミレイ

・フィン

・ウィル

の五人です」

こちらのチームには初対面の人しかいなかった。


(チームが違っても、同じギルドの仲間たちだから仲良くしていかないと)


「それではチームごとに集まり、自己紹介をしてください」


僕たちは少し移動をして五人集まった。

「では早速自己紹介をしていこう!」

話を切り出したのはいかにも熱血、情熱という感じの熱い男性だった。

「まずは俺からだな、俺はマルク。趣味は筋トレだ、よろしく!」

マルクは清々しい笑顔で自己紹介を終えた。

そして、ミランの番になった。

「つ、次はわたしですね。私はミランです。得意魔法は召喚魔法です。よろしくお願いします」

ミランは緊張していたが、しっかりと自己紹介を終えた。


(そろそろ僕の番だ、なんて言おうかな)


次はフランだ。

「次は私ですね。私はフランです。好きなものはこのぬいぐるみです。よろしくお願いします」

僕は正直驚いていた。

なぜなら僕は初対面で八つ裂きにするとまで言われたから他の人にもそう言うのかと思っていた。

そうこう考えているうちに僕の番になった。

「僕はカイトです。まだ魔法(ヘクセレイ)が使えないけど、みんなの力になれるように努力します。よろしくお願いします」

「おいカイト、魔法(ヘクセレイ)が使えないなんて鍛え方が足りないんじゃないか?今度俺と一緒に特訓するぞ!」

「は、はい」

僕は渋々頷いた。

「最後は私ね。私はエリカ。ていうかさ、なんでこのチームにはまともな人が全然いないわけ?魔法(ヘクセレイ)も使えないやつもいるし、ギルドにぬいぐるみなんか持って来てる幼女もいるし、出会ってすぐから馴れ馴れしいし、先に言っておくけど、私はあんたらみたいな連中と馴れ合うつもりはないから」

僕たちは唖然とした。

自分でもわかっていたが、こうハッキリ言われると心にくるものもある。

「…気を取り直して、みんなさんこれからよろしくお願いします」

最初に声を出したのはミランだった。

「そ、そうだね」

「そうだ、自己紹介は終わりにするぞ」

この重たい雰囲気から逃げるかのように、自己紹介のくだりは無理やり終わった。初めて全員の意見が合った瞬間だった。



しばらくしてチームBの自己紹介も終わり、僕たちはエルザ副団長のもとに集まった。

「皆さん、自己紹介お疲れ様でした。週末にはチームごとのギルドに入団して初めてのクエスト、初陣を行います。それまでに武器やアイテムの用意を必ずしておいてくださいね。では本日はこれにて終了です、解散!」


僕たちはギルドから出てそれぞれ帰ろうとしていた。

だが、その時エリカに呼び止められた。

「あ、あのー、Aチームのみんな

そのー、さっきはみんなに酷いことを言ってごめんなさい」

エリカは頭を下げた。

「大丈夫だよ。僕が頼りないってことは僕が一番わかってる。それにエリカさんのおかげでもっと頑張らなきゃって決心が着いたから」

僕がそう言うとエリカさんは少し笑顔になった。

「で、でも調子に乗って私の足引っ張らないでよね」

それを聞き、僕たちは苦笑いした。

「ところで皆さんがよろしければですが、途中まで一緒に帰りませんか?」

ミランの提案に全員が賛成した。


僕たちは歩きながら色々な会話をしていた。

「ところでみんな、堅苦しいのはなしにしたいから俺のことは呼び捨てで、マルクって呼んでくれ」

「では私のこともミランと呼んでください」

「じゃあ私のこともフランと呼んでください」

「じゃあ僕のこともカイトで」

「気安く呼ばれたくはないけど、あなたたちには特別にエリカって呼ばせてあげるわ」

僕は少しずつだけど、みんなが打ち解けてきたのを感じた。

「お兄さん」

僕を呼んだのはフランだった。


(あれ、僕をカイトって呼ぶって話はどこにいったんだろう?)


そんなことを考えつつフランの顔を見ていた。

「ねぇお兄さん」

「どうしたの?」

「短い間だけどよろしくね」

「うん、よろしくフラン」

僕は返事をしながら軽く頭を撫でた。

「あんま子供扱いしない方が身のためだよお兄さん」

僕は殺気を感じた。

そしてなんとなく短い間と言われた理由も納得した。


そんなこんなで僕とミランは家の近くに着いた。

「さよならみんな」

「また明日会いましょうね」

僕たちは手を振りながら別れの挨拶をした。

「また今度!カイト、ミラン」

「また週末に会いましょうね。お兄さん、ミランさん」

「どうせまた週末に会うんだから私は挨拶なんてしないから」

最後にエリカは少し恥ずかしそうにそう言った。




次の日ーー

カイトとミランは、アイテムを揃えるために2人で出掛けた。

実は僕たちはベーテの群れのリーダーを倒したことでギルドから御礼金として金貨を一枚もらっていた。

この世界には銅貨、銀貨、金貨、白金貨があり銅貨が最も価値が低く、白金貨が最も高いらしい。


(ところで金貨一枚ってどれくらいの価値なんだろう)


そんなことを考えながら歩いていた。

「海斗さん、まずは武器鍛冶屋に行きましょう。この前倒したベーテの牙を加工して武器を作って貰えるはずです」

「え、いいの?」

「はい!それに私は自分たちで倒したモンスターから武器を作ってみたかったんです」

「じゃあ牙で武器を作って貰おう」

僕たちはまず武器鍛冶屋に向かうことにした。




「ここが武器鍛冶屋か」

店内を覗くと、そこには剣や盾、槍などが飾られてあるのが見えた。

「では早速店主の人に相談しましょう」

僕たちは店の中に入った。

「いらっしゃい」

中には店主の男性が一人いた。

「えっと、今日はこのべーテの牙を剣ににして頂きたくて来ました」

「ちょっと見せてくれ」

僕はベーテの牙を渡した。

「軽いな、しかも硬い

これならどんな剣でも作れるがどんな剣にしたいんだ?」

「この牙だと、どの剣がおすすめですか?」

「さっきも言ったが、ベーテの牙は軽いから片手剣がいいと思うよ

まだ決まってないなら、()()()()になるといい」

「魔法剣士、ですか?」

「あぁ、片手で剣で振り、片手で魔法を放つ。君の使う魔法はどんな魔法なんだ?」

「ぼ、僕は... まだよくわかんないんです...」

「そうか、まぁ暗くなるな!これから徐々に身に付いてくるさ」

「ありがとうございます。あ、いくらですか?」

「それなら代金は銅貨8枚だ」

「ではこれで」

僕は金貨を一枚渡した。

「ならお釣りは銀貨九枚と銅貨二枚だな」

僕はお釣りを受け取った。

「加工には時間がかかるからしばらくその辺をぶらついていてくれ」

「はい」

僕たちはそのまま店を出た。




「次は防具鍛冶屋に行きましょう」

「それってどこにあるの?」

「隣の店ですよ」

ミランは笑顔で答えた。

僕は少し恥ずかしかった。


防具鍛冶屋には布製のものや金属製のもの、更には見た事のない鉱石で出来ているもの、モンスターが素材になっているものまであった。

色も凝って作られたものもあればシンプルなものまでたくさんあった。

だけど僕はそれより気になった物があった。

「ねぇミラン、特殊効果付与って何?」

「特殊効果付与とは、他の防具とは違い特殊な魔法(ヘクセレイ)が付与されており、魔法などのダメージを半減させてくれます。ですが、付与できるのは一つまでで、一つの属性に対する耐性しかありません。それに値段が普通の防具の十倍や二十倍が基本で…」

「え、そんなにするの?じゃあ普通の防具にしよう」

僕は他の防具を探すことにした。

僕は何個も見ていくうちに一つ興味のあるものをみつけた。

それは黒いコートのようなものだった。

「ねぇミラン、こういうのでもちゃんと防具として使えるのかな?」

「はい。このような防具はモンスターの素材を糸状にして作っているのでかなり丈夫ですよ」

「それなら僕はこれにするよ」

僕はそのまま店主にお金を払った。

「ところで私も防具を買いたいのですが、どのような物が似合うと思いますか?」

「うーん、少し探してみるね」

僕は女性用の防具の中から探すことにした。


(うーん、これでもない...

これもちょっと違うな...)


僕は探しては少し移動を繰り返していた。

しばらく探していると、少し気になるものをみつけた。

それは、白を基調とした服と赤いミニスカートのセットだった。


(こういう防具もあるのか。なにか見覚えがあるような・・・?)


僕がそう考えていると、ミランもこちら側を探しに来た。

「なにかいい防具ありましたか?」

「今のところはないよ」

だが、その言葉とは裏腹に、その防具が気になり三度ほど目をやってしまった。

「え、えっと海斗さん…

やっぱり短いスカートの方がいいですか?」

恥ずかしそうにミランは僕を見ながら言った。

「え?」

そして僕は一瞬で気がついた。


(まずい、誤解された)


「そ、そういうわけじゃなくて、ほら、騎士の女性が着てそうだなと思って」

僕は焦って言ったが、それが裏目に出た。

「騎士の方にはちゃんと制服がありますよ」

僕はさらに焦りはじめた。

「え、えっとこういう所にも普通の服があるんだなって思って」

だがそれも失敗だった。

「普通の服ですか...

私は普段もっと長いスカートを履きますが」


(あ、もう終わりだ。反論の言葉も思いつかない)


僕はそう考えていた。

「冗談ですよ」

だが、ミランは笑いながら言った。

「え?」

僕は唖然とした。

「実は私もその防具がいいなと思っていたんです」

ミランはその防具を手に取った。

「どうしてそう思うの?」

「だって腕や足が動かしやすそうですし、それに少しかっこいいじゃないですか」

「うん、そうだね」

僕は口から魂が抜けるような感覚を感じた。

そしてミランはその防具を持って店主にお金を払った。

「カイトさん、次はアイテムを買いに行きましょう」

僕たちは防具鍛冶屋を出た。





(剣一つと防具二つで銀貨八枚か

価値観よくわからないな)


僕はお金の価値観を考えながら街を歩いていた。

「カイトさん着きましたよ、ここが道具屋です」

僕たちは早速道具屋に入った。

そこには薬草やポーションなどの回復アイテムや、戦闘に役立つ小道具などが売ってあった。

「まずは怪我をした時のためにポーションを五本ほど買いましょう。他に欲しいものはありますか?」

「特にないよ」

正直僕にはどれがどのような効果なのか分からなかったのでミランにまかせることにした。


その後も赤いポーションや透明な水のようなものを買った。

「これくらい買えば多分アイテムには困らないと思います」

「そうだね。そろそろ武器鍛冶屋に戻ろうか」

「はい!」

そして僕たちは店を出た。




鍛冶屋に着くと店主が入り口で待っていた。

「おう、もう剣は出来てるぜ。店の中に入ってきな」

僕たちは店主について歩いた。

「これだよ」

店主の指差した先には一本の片手剣があった。

「え、これですか?」

それはベーテの牙から作ったとは思えないような仕上がりをしていた。

「そうだよ、これがあんたらの剣だ」

僕はその剣を受け取ろうと手を伸ばした。

「おっと、予想以上に切れ味が良くなっちまったから気をつけて扱えよ」

「わかりました」

僕はその剣を受け取った。

触って初めて気がついたがこの剣は金属に劣らないほどの硬さをしていながら、片手で軽々と持ち上げられるほどの重さだった。

「あと、これはプレゼントだ」

それはこの剣がぴったり入るほどの鞘だった。

「本当にいいんですか?」

「いいよ。久しぶりに気持ちよく仕事が出来たからな」

店主は嬉しそうに答えた。

「それにそんな危険なものを剥き出しにしたまま歩かせるなんてこと出来ないからな」

僕は気になっていたことを聞いてみることにした。

「この剣はどのくらい切れ味がいいんですか?」

「建物の一個や二個なら簡単に二つに切り分けることが出来るくらいだ」

僕たちは驚いていたが、その後さらに驚くことを目の当たりにした。

「試しにこの剣にその剣を縦に当ててみな」

そういうと店主は金属製の剣を取り出した。

僕は言われた通りに剣を縦に当てた。

すると、まるで豆腐を切るかのように簡単に金属製の剣が切れた。

「これだけ切れ味が良ければ文句はないだろう」

店主は笑顔で言った。

「はい、ありがとうございます!」

僕は頭を下げてお礼を言った。

「いいってことよ。それより自己紹介がまだだったな。俺はアギラだ」

「僕はカイトです」

「私はミランです」

「そうかカイト、ミラン、これからもこの武器鍛冶屋をよろしくな!」

僕たちはその後別れの挨拶をして、家へ帰った。




次の日ーー

僕はバステトと前に一度行った草原に来ていた。

理由はもちろん魔法(ヘクセレイ)の練習をするためだ。

「カイト、まず魔法(ヘクセレイ)の基本は強くイメージをすることだ。自分の手のひらの上に風の渦が出来るようにイメージしろ」

「はい」

「次はそこに力を集めるように集中しろ」

「はい」

「そしたら最後はこれだ」

そういうとバステトは僕の背中の上に手を置いた。

その瞬間自分の血管の中を何かが流れるような感覚に襲われた。

気がつくと、僕の手の上には小さな渦が出来ていた。

「あれ、出来た」

「その感覚を忘れないようにしろ」

「はい」

「次は自分一人でやってみろ」

僕は手の上に渦が出来るようにイメージをした。

すると、先程のような感覚に襲われた。

そして、僕の手の上には小さな渦が出来ていた。

「よし、次は渦ではなく風で球体を作ってみろ」

僕は手の上に風の球体が出来るようにイメージをした。

すると、僕の手の上には小さな球体が出来ていた。

「試しにその球体を地面に落としてみろ」

僕は言われた通りその球体を地面に落とした。

すると、そこには小さな竜巻が出来た。

「もうコツを掴んだか。これを武器を通して使ったりも出来る。後は練習あるのみだ、どんどん自分のものにしていけ。だが、今日はここまでだ。そして最後にイメージをして集中することを、魔力を込めると言うと覚えておけ。それじゃあ帰るぞ」

僕はバステトと一緒に帰ることにした。




次の日ーー

1人で練習をしに来ていた。

なぜなら僕は試したいことがあったからだ。


(まずは剣に魔力を込めて、そして投げる)


僕は近くにあった木を目掛けて剣を投げた。

すると、その木を中心に2メートルほどの大きさの竜巻が出来た。

そして、竜巻が収まってから剣を取った。

だが、その時には既に木が倒れていた。


(次は剣に魔力を込めて、横に振る)


すると、近くにあった草は全て吹き飛び、さらに先程倒れた木も真っ二つに切れていた。


僕はその後、色々な練習をした。

そして気がついくと既に夕日が沈みかけていた。

僕は急いで帰ることにした。




次の日ーー

僕たちは朝からギルドに向かった。

なぜなら今日は僕らのグループの初陣だったからだ。

ギルドには既に人が集まっていた。

そして僕は少し目を疑った。

なぜならみんながそれぞれ装備をしてきている中、フランは武器も持たず、防具も装備していなかったからだ。

「フラン、もしかしてそのぬいぐるみしか持っていかないの?」

「そうだよお兄さん」

「そんな装備で大丈夫?」

「うん」


そんな話をしていると副団長が僕たちのチームの前に立っていた。

「全員揃いましたね。それでは早速今回のクエストの詳細を説明します

今回のクエストは三百年前に滅びた旧都跡の調査です

ここ最近その辺で奇妙な噂が語られているので旧都の様子を確認して頂きます。

調査任務ですが、何が起こるかわからないのでしっかりと心構えをしておいて下さい。」

「「「「「はい」」」」」

「では、出陣!」

僕たちはギルドを出た。

そしてここから僕たちのグループの初陣が始まる。

どうもK&Kです。

今回はギルドについて紹介します。

ギルドは各都市に1つずつあります。

都市には

ユグドラシル

シャングリラ

アヴァロン

エリュシオン

アルブヘイム

バビロン

の6つがあります。

そしてギルドには、合格者の60人が10人ずつ均等に配属されます。

そしてその10人が5人ずつに分かれグループになります。

次回は旧都跡の調査に行き、そこで予想外の事態が起こります。

ぜひ期待して待っていてください!

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