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極道の娘
私と主任の仲は前とは少し違う様になっていった…。主任は私に申し訳ない気持ちが強かったんだろう。
ある日、私の父親が遊びに来た。父親は『いつ籍入れる?』と聞いて来た。主任は黙って下を向いていた。私は、そんな主任を見て何て返事をしたら良いか、わからなかった。父親は、私達の顔を見て『お父さんが極道だから反対されたか?』と言った。私は父親の悲しい顔を始めて見た。『ごめんな。こんな親で…』父親は私達に頭を下げた…。
極道の世界では有名な人が娘の為に頭を下げるなんて…私は『大丈夫よ!主任の姉さんが結婚したら私達も結婚するからね!』と伝えた。
父親が帰った後に主任は、『もう俺の家族の事は無視して籍を入れよう』と言ってくれたが…私は断った。主任が私の父親の気持ちを理解した様に私も主任の親の気持ちを理解したからだ…。




