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再会
私は久々に穏やかな毎日を過ごしていた。近所のオバチャン達も『帰って来たんだね。』と笑顔で言ってくれた。近所から見ても私の家庭は複雑な家庭だと知っていたからだ。私は働く事を辞め主任の給料で生活していた。主任は私に働かせる事はさせなかった。私が地元に戻ったと知れば昔の仲間が来るかもしれないからと、心配をしてくれてたからだ。
私は、あの日から前髪を伸ばしていた。
誰かにまぶたにある傷を見られたくないからだ。人に聞かれても私は返す言葉が見つからないし、過去に触れたくないと思っていたからだ。
私は信用出来る友達だけに実家に帰ってきた事を伝えた。久々に会った友達は『全く変わってないね』と笑いながら言った。見た目は変わってないかも知れない…でも生き方は変わった。でも、その言葉を口には出さなかった…。




