和解
私は久々に地元の駅に着いた。懐かしくもあり、複雑な気持ちでもあった。
タクシーで待ち合わせの場所に向かった。タクシーを降りて待ち合わせの店に入ると、祖母、叔母ちゃん夫婦、そして父親が居た。私は状況を理解出来ずにいた。私を勘当した父親が何故、その場にいたのか…私は呆然と立ったままだった。『早く座りなさい』叔母ちゃんが言った。私は言われるまま座った。まだ私は把握出来て無かった。
叔母ちゃんは『あんたも、もう二十歳になったんだから、そろそろ父親と仲直りしなさい』と言われた。
父親に会うのは中学生以来だ。何を話して良いかも分からない。ただ…老けたなと感じた。父親は私の顔を見つめ『元気してるんだな』と呟いた。私は『うん。私は元気。お父さんは?』と聞き直した。父親は『見ての通り元気だ』と笑った…。父親は口数が昔から少ない人だった。でも父親は笑顔だった。父親は私に『お父さんの携帯番号を教えとくから帰って来る時は電話しなさい』と携帯番号が書いてある紙をくれた…。
私と父親は、この日から、また親子に戻った。ただ…継母がいるから会う時は外で会う様にしていた。




