魔王の最後
どうも、うまく書けてるか・・・どうぞ。
「ガアァァァァァ」
大地が割れるほどの咆哮がある空間に響く。
「なぜだ!ソフィリア!なぜそこにいる!杖を向ける!」
人の背丈を軽く超える巨体に背に翼を生やす者が叫ぶ。
「・・・・・」
しかし、名を呼ばれた女性は何も言葉にせず無言のまま巨体の男を見据える。
その傍らには、大剣を構える騎士がたっている。
騎士だけではない・・・弓、槍、短刀、他にも、それぞれの武器を持つ者たちが少数だが二人を中心に扇状に広がっていた。
しかも、それぞれの持つ武具を極めた武人であることがうかがえる。
「魔王ガウォーグ!!ここが貴様の最後だ!」
騎士のかけ声と共に戦場は動きだした。
大剣を持つ騎士はまるで重さを感じていないかのように身軽に動き、確実に大剣を体に当ててくる。
弓は気を引く役目、的確に隙ができた個所を射抜いてくる。
用いられる矢は、高位の魔術、法術が施されている。
槍と盾をうまく使い見方を守る者、視覚を奪うように動き回る短刀使い。
殺意、恐怖、畏怖、狂気が駆け巡る中、長い時間が流れていった。
「っく!!!」
ついに魔王は膝をついた。
「なぜだ、なぜ裏切った!!ソフィリア!!!」
膝をつきながらも武具で体を支え、叫ぶ。
「・・・・・」
しかし、まるで聞こえていないかのように、杖を規則的に回し、舞歩を刻み陣を組み上げていく。
「答えろ!!!」
彼女は声を上げる。
「みなさん。離れて下さい」
しかし、それはガゥオーグが求める答えではなく、戦いの終わりを告げるものだった。
その合図で周りはソフィリアを守るように周囲に集まる。
「っ!これは!!」
ガウォーグは周りに展開されてゆく魔法陣を見て驚愕する。
封印魔法陣の中でも彼女の血筋しか発動できない封印術。
「封絶隔殺!!!」
魔たるものを空間ごと切り離し封殺する王国に伝わる秘術。
「ふざけるな・・・、どれだけの欲望を撒き散らす、傲慢を押し付ける!!!」
彼女の本気の術を前に力を再び込める。
「な!!!」
ソフィリアを除き、騎士たちが驚愕する。
「ハアァァァァァァ!」
魔王は立ちあがった瞬時に魔法陣を自身の手で強引に引き裂いたのだから。
「我滅びず!大地に立つ者なり!!!」
しかし、その言葉を無に帰すように彼女は告げた。
「無駄です。何をしようとこの術は発動すれば止められることはありません」
そう、この術はそういうものなのだ。
ある「存在」(・・)が人間に与えた絶対なる術。
「・・・・そうか、本気なのだな」
そこで初めて・・・彼女が本気なのだと、信じたくない現実を受け入れた。
周りを見渡しながら術に包囲されてゆく。
もう手遅れなのだろう・・・魔法陣の展開が幾分か早くなっているように感じる。
「貴様らは絶望するだろう。事の真実を知る故に」
語るように言葉を紡ぐ。
最後は魔の王に君臨したものとしてこれ以上の無様はさらせない、そう思いながら言葉を続ける。
その威風堂々と立つ姿は王に君臨した偉大さを感じさせる。
魔王の体が徐々に消えてゆく。
「真実を知って絶望せずにいられるか」
そして最後にある言葉を口にして魔王はその場から姿を消した。
「貴様達の罪はもう始まっている」
始まった。展開読める!と思った人多いんじゃないかな・・・・、まいいか!
続きかこう。