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王への謁見、侍女の決心。

ではでは、引き続き本編でーす。

前回は脇道にそれましたので前々回の続きですね。

「死んだはずでは・・・」


私のつぶやきは、幸い誰にも届きませんでした。出ていなかったのかもしれません。


私は必死に考えます。

私が神殿に、姫巫女様に仕えるため、村を出たのが14歳でした。

・・・村が火事になり、全焼したのが15のとき。

生き残った人はいなかったはずです。誰も。


そこにいるのは紛れもなくナイト。姓は変わっていますが確実にあいつです。あのエリーおばさんのところの完璧ナイトです。


どういうことでしょう。生きていたなら連絡があってもいいではないですか。それとも私ごときに連絡する価値は無いと?そういうことですか?むかつく野郎ですね、相変わらず!!!

というか私に気づいてませんね、うわー!ひどくないですか!?

いいでしょう。いいですよ。そっちがその気なら、私だって・・・。


知らぬ存ぜぬで通してやろうではありませんか!!!!!


こうなったら、あなたダーレデースカ―、知りませんよー?人違いじゃないですかー?覚えてませーん。みたいな感じで忘れてやります!

いや、こいつは王宮から来てるはずです。王宮に帰る直前まで接触を断ち、帰る日に「忘れてたなんて、ひどい!私は、ずっと待ってたのに・・・。」と女の子泣かした悪い奴みたいに後味わるーく帰ってしまえ!我ながら、何といいアイデアでしょう!

よし、この作戦で・・・。

あ、無理でした。私泣けないし、無表情でした。情感たっぷりに言わないとただのクレーマーになっちゃいます。うーん。


「こちらが、姫巫女の侍女頭である。」


王様に突然呼ばれます。いつの間にか進行してました。えっ、自己紹介ですか?名前言ったらばれます?ばれますね。やばい。というか王様の前でぼけーっとしてましたね、やばい。無表情で良かったー!!たまには役に立つものですね、王の御前で百面相は悲しい。というか不敬罪?牢屋行き?あっぶな!危険がいっぱいです。じゃなくて。どどどどーしよーー!!


「侍女頭を務めさせていただいております・・。。」

「よろしくお願いします、侍女殿?」

「はい。」


ひえーー。焦りました。良かった追及されないで。はいとかいっちゃったけどよろしくしたくないです!

もういいです。このひと無視です。気づかれなくていいです。

そういえば、この方は周りを巻き込んで多大な迷惑をかけ、自分は得をするというハッピーラッキーな人でした。即ち・・・、巻き込まれたら終わりです。トラブルメーカータイプです。なのにくっそう、かっこよく見えるんですよぉぉ!

顔良し、頭良し、運動神経良しで性格もいい完璧な人間。キラッキラしてる人外生物です。見ててむかむかします。こう、なんでもこなせる人ってイラつきません?ずっと失敗しろー失敗しろーとか思っても、さらっと成功しちゃうんですよね、それで女の子にきゃーきゃー言われる。うらやましい・・・。イケメンって得ですね。

わたしだって可愛い女の子とあははうふふしたいですよぉぉぉぉ!友達人数少ないどころかいませんがなにか!悪いですか!悪かったですね!私が悪うございました!


うう、マリアンヌさまぁ・・・。

万感の思いを込めてマリアンヌ様のほうを見ると、にっこり微笑んでくださいました。まるで、すべて分かっているかのように!

まぁ、わかってないでしょうけど、そんなことはいいのです。こいつに気づかれないことが第一です。


いま私、髪を染めています。だから、運がよければ気づかれずに済むかもしれません。


私の薄めの金髪、エリーおばさんやマリアンヌ様に言わせると「月色の髪」は腰まであり、結んでもかなり目立ってしまうので、漆黒・・・マリアンヌ様流だと「夜色の髪」に染めて、目立たなくしています。

この場合の「目立たなく」は、その他大勢に埋もれるのではなく、背景に溶け込むような感じです。侍女頭なので、その他大勢にはめったになりませんから。

途中までまっすぐで、そのくせ最後のほうだけくるんくるんいろんな方向にはねている私の髪は梳かすのにいつも苦労します。

その点マリアンヌ様の、濃ゆい光のような金髪に、胸までの柔らかい内側にくるっとなった髪は梳いていてとても楽しいです。

そういえばこの男も黒髪ですね、一緒かぁ。なんか気分が悪くなってきました。黒髪黒目って、神秘的ですてきですよね。ずるいですよね、ほんとに。



「分かったな?では退出するがいい。」


あれ?終わりですか?聞いてなかったんですけど・・・。ま、帰れるならいいです。帰りましょう。




王の話聞いてないって・・・・、度胸があるんだね、ルナちゃんは。


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