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昔と欠点、姫のお目覚め。

 はい。感情が顔に出ない。これこそが私の欠点とも言えるところです。これは性格とかの欠点でなく、(そっち方面の欠点ならいっぱいあります。人間ですし!ねぇ!)技術的な面のことです。


 ポーカーフェイスを装っているわけでもなく、感情が乏しいわけでもありません。どうやっても表情が変えられないんです。笑えないし、怒れないし・・・。出にくいというより、出ません、出せません。ついでに声も、無機質な声しか出せないんです。音程がないんじゃなくて、こう抑揚がない感じの。生まれつきです、ほんとうに。いや、私も本人じゃなきゃ、「ありえないだろ!どこにいるんだそんなびっくり人間!」と突っ込んでいたと思うんですけど、本人ですからねー。


 生まれてから笑ったことがありません。無表情で産声あげたそうですよ?驚きですよねー。こんな気持ち悪い子供、育ててくれた父母には本当に感謝です。

 

 昔からどうしたらいいか解決策をずっと考えてきました。いやいや、これ、結構きついんですよ?私、無口で・・・というか打ち解けた人としかおしゃべりを楽しむなんてできないんです。それで、心の中でつっこむタイプなんですね。。無表情とそれが相まって会う相手話す相手に怖がられて・・・。落ち込みますよー。だって、考えてみてください。何にもしてないのに、すれ違ったら「ひぃ」とか、「きゃぁ」とかいわれるんですよ!?黄色い悲鳴ではなく純粋な悲鳴です。うわー。

そして、気づいたんです。無口を改善すればいいのではないかということに!わたしすごいです!えらい!

でもこれまた問題点が。なかなか人と話す機会がない・・・怯えられて友好的な雰囲気がつくれないことです。

まぁ、なんとかなります・・・よね?


 子供のころにもいじめられて、避けられて。トモダチ五人いたことないです。あれ、1人でもいたっけ・・・。いや、いたはずです。でも、あれ・・・??いやいや、いたと信じたい。私の中の何かを守るために。いえ、何かが何かは分からないけど。人として大事な何かですよ、大事な。


まぁ、いじめの方は、いじめられた分はやりかえしましたけどね?男子限定で。いじめられる女の子の分もやり返したら、噂がふえましたけど。いいんです、いいんです。

かよわい女の子は大事にする主義です。いや、女の子は怖がって近づいてきませんでしたが・・・。売られた喧嘩は買う主義でもありますし、貧しい村出身ですので食べ物を粗末にするいじめ方は気に食いませんでしたから。(パン屋の娘ですのでパン粉かけられたときはコテンパンにして弁償させました。はい、もちろんです。)


 あと、なにか理由があったような気もしますが。ストレスですかね。スルーします。そんなこんなで、ついたあだ名は「鉄の女王」。大変うれしくありません。もちろん、裏のです。面と向かって言ってくるような勇気ある人はいませんでした。なんか、ほんとに酷い人みたいです。


 たしか今の不名誉な呼び名は、「冷酷無慈悲な人形侍女」だそうです。ひどい・・・。

誤解をとくのはあきらめました。

一度弁明を試みたこともありますが、失敗しましたので。噂が倍増しました。その後どうなったかは聞かないで・・・。泣けてきます。


今現在やっと夜が明け始めてきました。そろそろ姫様を起こしに行く時間です。

「姫様。お目覚めの時間です。」

姫様は、

「んん・・・、ルー?」

と体を起こしました。身支度のお手伝いをして、朝のお祈りに赴かれる姫様をお見送りします。

「いってらっしゃいませ。お気をつけて。」

「もう、ルーったら。心配性なんだから・・・。行ってきます。」

神官様をひきつれ、白い石でつくられた神殿内にひかれた赤い絨毯の上を、お祈りの時に着る真っ白な服で進んでいく姫様に、

この前そういって階段踏み外して捻挫したのは誰ですか!

と心の中でつっこみながら侍女らしい控えめな、自分的に完璧な礼をしました。この礼をできるようになるまで何回練習したことか!きつかった思い出を思い出します。


これで朝のお仕事は終わり・・・ではなく、姫様がこの私室にお戻りになられる前に、朝食をお作りして食事の用意をしなければなりません。姫様に温かいものを食べていただきたいので、いつもタイミングに苦労します。ふむ、今日はパンでも焼きますかね。実は2時間でパンを焼ける道具を持っているのです。

さて、パン屋の娘の本領発揮といきますか!!!

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