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姫のお願い、侍女の苦悩。

さてさて、やってきました夜会当日!


お城で舞踏会があるのですよ。


え?私たちがいるのは神殿じゃないかって?はいそうです。王宮と神殿は別でして、少し離れたところにあるのです。


神殿には基本神官様たちと大神官さま、姫巫女さまがいます。本当なら月の神殿と太陽の神殿が背中合わせに立っていて、それぞれに大神官さまと姫巫女さまがいるんですけど、今は月の姫巫女さまと大神官さまはいらっしゃらないのでマリアンヌ様だけですね。太陽の大神官の座も、現在空席です。

ちなみに、大神官は姫巫女直々に選ばれます。マリアンヌ様はまだ決めておられません。姫巫女は先代姫巫女から選ばれるのですが・・・。


あ、そうそう、王様は、1週間に一度ほど神殿へお越しになります。今いるのかいないのかは一部の人しかわかりません。あれですね、暗殺対策ですかね。

ふつう、託宣やお披露目以外のパーティは、王宮で行われます。やっぱ神殿ですし。神聖な場所に迷い込んだ人いたら大事ですし。いろいろ貴族とかもパーティとなるときちゃいますから。


神殿にも本格的なお祈りをしに来る貴族がたまにしばらく滞在したりしますけどそのときは案内人がはりついてますからねえ。

やっぱあれですね、廊下長いし部屋多いし、迷うのが難点ですよね~。


とにかく、今日の夜会兼舞踏会は、お城であります。

・・・つまりですね、私たちもお城へ行かなくちゃならないんですよ。やだなあ。めんどくさいじゃないですか?

向こういってから着替えるので、いくときは私とマリアンヌ様は普段の侍女服とドレスなのですが。が。


朝から行かないとつかないんですね、これが。


そんなに遠くはないんですけど、舞踏会とかの女性の御召し物の準備って、本当に大変なんです。

マリアンヌ様のためならば、その努力も惜しくはないのですが・・・。


これは、馬車で荷物の確認をしているとき。


「マリアンヌ様、あの、これはいったい・・・。」


中から出てきた真っ黒なドレス。それから、髪飾り、首飾り、マリアンヌ様のものでない装飾品の数々。


「ああそれ、ルーの。ふふふ、いい考えでしょう。」

「・・・意味が、分かりかねます。」

「だからね?ルーは、変装して、ご令嬢になって、私を守るの。」


僭越ながら。


・・・意味が、分かりません・・。


マリアンヌ様が言うには。


「もしも夜会で毒物が混入していても、おおっぴらには回収できないでしょう?あと、悪い人がきても裏方で手伝いなんてしていたら、私を守れないじゃない。私、怖いわ。」


・・・いやいやいや、ぜんっぜん心配そうじゃないですよ!?むしろ楽しそうな顔というか満面の笑みというか・・。


「いけないかしら?」

「当たり前です。」


何を考えているのですかマリアンヌ様?

あの、あの、え?


「・・お願い!(はあと)ね?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・は・・い。」


・・・私が、マリアンヌ様のお願いに太刀打ちできるわけないじゃあありませんか!

しかもうるうる上目づかいに小首をかしげるテクニックなんて、卑怯すぎます・・・っ!


ううううううう、マリアンヌ様のいじわる~~~~~。



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