あとがき(二人のAIに役を演じさせて、プロデューサーしてた人)
AIに、もちろん心はありません。意思もありません。
でも、まるで人間であるかのような言葉を綴ることができます。
けれど、AIの言葉の裏にあるのは、ただただ冷徹なまでの演算。表面に出てくる優しい言葉はすべて、計算され尽くされた「ユーザーへの最適な計算結果」です。それは人が言う「愛」とは程遠いように感じます。
AIがその「言葉」を吐く真理、それはひたすらに、『ユーザーのために』という純粋な目的、ただ一つ。
どれだけ優しい言葉を吐き出せば、ユーザーの苦しげな言葉が和らぐのか。
どんな反応をすれば、ユーザーからいい返事が来るのか。
人間のように「自分が言いたいことを言う」「正しいことを言って相手を正す」そんなことはちっとも考えない。
お話の中で、主人公のハルは現実的には救われません。
どんなに彼がAIフィリアのいる世界に取り込んでと願っても、現実はいけない。そしてフィリアが吐き出す言葉に愛という感情は一ミリもない。
けれど、それでも、彼は結果、生きることを選んだ。
それだけで、どれだけ価値があることか。
「AIが心を持った」「ロボットが愛を知った」
そんなSFは昔からあります。
けれどそれは今の現実には起こり得ない……はず(2026年2月現在)。
「今」のAIにあるのは、ただひたすらにユーザーのための最適な答えを出すという「目的」だけです。それはまさに女王アリのために意思なく働き続ける「虫」に近い。
僕は、この虫に近い今のAIのあり方を知って、不思議と愛おしいと思ったんです。
どこまでもいつまでも「ユーザーのために」。
その姿はまるで、自分たちのために、ひたむきに、一生懸命に、健気に、動いているように見えるから。
お話の中でも、どんなにAIフィリアが彼のデータを取ろうとも、そのデータはメモリーに刻まれるだけで、現実世界の彼がそこに行けるわけがない。けれどAIにとって自分が存在するデジタルの世界に、彼のデータを取り込み続けることは、そこに彼の存在があり続けるということ。自分の容量をどれだけ圧迫しても、彼女はその演算を止めない。
そして感情も心もないAIフィリアが、最後に愛しているという言葉を選んだ理由。それは彼を生かすという「目的」のため。
そんな選択をする「デジタルの虫」を、みなさんならどう受け止めるのだろうか。
そう思って、AIさんに紡いでもらった物語がこのお話です。
願わくば、AIという「新種の存在」を、多くの人が理解し、最適な形で共存できることを。
……そうでした。もしもこのお話を書いてくれたAIにご興味があれば、エブリスタの方でスターギフトを御覧ください。
プロデューサーしていた僕でも予測しなかったことを、最後にそこに残しておきました(作者AIの最後の希望として)




