⑦猪鹿男
ここはパラレルワールド。死人もいれば、アタチみたいなゾンビ、現実世界から逃げ出して、精神だけさまよう抜け殻、肉体だけ宿す屍の輩、そういうのが集まる、墓場界というところアルよ。墓場力って生命エネルギーがあって、ここで生き抜くには、それを高めるアルよ。それを高めないと屍にされて、一生さまようアルよ。
僕は、鬼ネコの姿で
その話を愕然と聞いていた。ああもう、音楽を作ることも、喫茶店でコーヒーを飲むことも出来ないのか…。
ハガは続ける
墓場くんが墓場界を支配してるんよ、100万deathってとんでもないレベルね。デスっていうのはレベルを表す単位ね。生命エネルギーってのを少しでも維持してないと墓場くんに消されるアルよ。そのために墓場力、6つのモードのレベルを上げるアルよ。
炎のモード(情熱)
風のモード(感情)
光のモード(心情)
雷のモード(激情)
水のモード(純情)
土のモード(表情)
各モードレベルは999までとされてるけど
超過力ってのがあって
それを得ると2000デスとかのレベルになるアルよ。生命エネルギーだからさ、情がキーワード。
本質は生のモード(愛情)を極めると究極の墓場力を得れるアルよ。
墓場くんがこの愛情の
かたまりを
持ってたのに怒り狂って
愛情のかたまりを
バラバラにしたらしい。何やら墓場くんの
愛する墓場ちゃんって可愛い癒し系の生き物がいて墓場くんが
めちゃくちゃ可愛がっていたアルヨ。その
墓場ちゃんが輩に
殺されたアルよ!アチョ~!
その輩は上下黒スーツに鹿や猪の頭をしてる
猪鹿男って呼ばれる
反逆集団なんだよ
そいつらに殺されたって噂アルよ。
あっ!僕と肩がぶつかってここに来る元凶になった。あのエレファントマン!鹿みたいな顔してた!猪鹿男~
ハガさん、僕は
そいつとぶつかったかも。『本当アルか~?珍しいアルね、猪鹿男と。ぶつかった…。ん~
危ないね。それは。』
深刻な、面持ちでハガは言う。
『もしかしたら…キミ、ここに来たことあるんじゃないアルか?』
えっ!僕が?こんな訳のわからないところに?……?
ハガは話しの続きを話した。
その愛情のかたまりを
悪衣をまとったままのかたまりがさ、10本の金の卒塔婆に形をかえて、墓場界に散らばってるアルよ。それを探す夜行が行われてるとこアルね。