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⑥中国ゾンビ

ガタぁぁぁぁん、ゴトォォん、ブィィィィ!ブィィィィ!

大きな音で、僕は目を覚ました。目をうっすらと開けると、ゴムが焦げついたようなキツイ匂い。辺りは薄暗く、田舎の裏通りのような、ポツポツとした頼りない明かり。地下鉄?地下鉄に乗り込んでしまったのか?というよりは、NYのいかにも、これから犯罪が起こりそうな、ただならぬ空気と、この地下鉄の揺れ具合。横にも縦にも揺れていて、不気味な音が続いていた。ブィィィィ!ブィィィィ!ク、キュィィィィン!あ~まだ、夢の中なんだ~。そうだろ~これは~夢だろ~。…。

言いながらも、夢でないことは、何となくわかっていた。リアルを通り越して、体に痛みすらある。そして何より。

あの男!!エレファントマンのような紙袋を被り、研ぎ澄まされた

動物の瞳!あの心に響いた大きな声!思い出さずとも、脳裏に、耳に、肌に、まとわりついていた。心拍数は160を超えているかも知れない。耳が痛くて、鼓膜が破れている気がする。耳鳴りがしている。僕は耳周りを触ってみると、通常の位置に耳がない。あれ?耳がない。手を激しく動かし、確認するが存在してない。通常の位置の少し上の方に、ヘッドホンをしている??

ヘッドホンのようなものを付けていて…そのヘッドホンの横には、ネコのような耳!!痛い耳は、こちらの耳ですか??僕は自問自答してみた。どうやらネコがヘッドホンをしている図が、触った感覚には訪れた。何だこりゃ?僕は触っていた自分の手をマジマジと見てみた。これは人とネコが混じりあったような白い手!肉球こそないものの、まるでネコだ。夢であることを疑った。自分の姿を、この不気味な地下鉄の、汚れた窓に写そう。確認したい。揺れの激しいなか、どうにか自分の姿を窓に写してみた。…うん、ネコ!ネコだよ。これは。黒いエンジニアブーツを履き、全身は真っ白、目は鋭く、ネコ耳がやはり立っている。それに牙が2本出ていた。そしてやはりヘッドホンをしていた。あの耳にめり込んできてイヤホンかな?その姿を眺めていると、僕の、ネコの

後ろに人が立っている!僕は驚いて、声を上げた!うわーーゎ!

ゾンビ~!そうゾンビが立っていた。『お前、迷い込んだアルよ』素っ頓狂な、かん高い、アニメの中国人みたいな喋り方でそう言った。その声で言われたら、なぜか妙に納得してしまった。彼が怖いということより、この現状を聞きたいという風に気持ちが変化するのに、数秒もいらなかった。『たまにさ、おるのよ、ね~、現実とこの墓場界とハチョーが交じり合うアルよ。キミもそう。ウンウン。ハハハッ』僕は聞いた。あなたは死んでるんですか?『ウンウン、死んでるネ。ゾンビ、アルよ、ゾンビ。ハハッ』『ボクはハガっていうアルよ』このハガっていう中国ゾンビは、目は線のように細く、鼻はずんぐりむっくりで

ほっぺたから2本髭が生えてるが、随分高い位置から生えている。

口は1文字。ラーメンマンのようだが、髪の毛は73分けだ。何とも馴染みやすいゾンビだ。

『キミは鬼ネコだからまだいいアルヨ。自由がアルヨ。鬼ネコは。』

自由がある?ハガを通して色々聞きたい。

ここから抜け出す術を!

ハガさんここは一体何なんですか?

『ここは1種のパラレルワールドアルよ、現実世界の7分後の世界アルよ』

7分後…の世界…?

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