表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/19

③超刀神情熱剣

高さ3mはあろうかという山の上に、ご機嫌に登っていったアオキは

息切れしていた。

辺りを冷静に見渡してみると、景色全体は淡く、そして赤い。山のような、薮の森のようなものが一体を覆っている。廃虚も建ち並ぶ。学校、病院、市役所であろうものたち。

薄汚れ、ヒビ割れ、赤く、燃えているビルもある。煙は方々から立ち上っていて、匂いは

やけこげたタイヤの独特の嫌な匂いに 、電車が急ブレーキをかけた際に生じる、磁石が擦り切れ、摩擦で焦げた鼻の先に、つんざく匂いだ。いくつもの墓石、燈籠、卒塔婆、十字架、等が並列していないまま、その辺に投げ出されているといったような状態だ。

墓場界…アオキはそう言っていた。混沌とした世界。そう思い、見上げるとアオキは上の方で、息切れしていた。息切れ??というか大きく呼吸をしていた。はああああ、ふうううう、はあああ、ふうううう。気付けば僕のところまで、呼吸音が聞こえてきた。アオキの全体がうねりをあげていて、白く水蒸気のように身体の周りを覆っていく。僕はその様子を近くで見るべく急いだ足でアオキのもとへ向う。何だ、何が起きてるんだ。アオキ!僕は呼んだ。アオキは白いオーラを纏い、呼吸を整えてこう言った。『燃』。片手を高くあげ、その右手は燃えているようなオーラ。右手を振り下ろし、辺り半径3mを燃やした!ブオッと一瞬、目の前に熱気が高まった!僕は左肘あたりで顔を隠した。おおお。3m範囲の鉄クズや、墓石、卒塔婆などは、その一瞬で灰と化していた。アオキが言う。これは『燃』。お前が降りたこの骨郷ってぇ駅は、炎のモード。お前は炎の生命エネルギーを取得しなくちゃならない。そうしないとここでは生きていけないのさ。そしてこの燃は、10本の黄金の卒塔婆を探し当てる力。まあ正確にいうと

4本は、この世界の絶対的存在の墓場くんが持っているだけどね。

この炎のモードの

生命エネルギーは燃という力を使って

黄金の卒塔婆を探すんだ。

炎のモードが

探さなくてはならないと課せられた

黄金の卒塔婆は、

6本中の1本その名も『超刀神情熱剣』。

(ちょうとうしんじょうねつけん)

そいつを炎のモードで

修行してとにかく

墓場力をあげるんだ。そして燃の力を得て

超刀神情熱剣を探してくれ。


それがここでのルール…。生きて行く道なのか…。そう僕が言うと

アオキが僕の全身を

燃を使った残りのオーラで包むと、僕の心臓辺りに、ミドリ色の、ゾンビ色の手を当てた。オーラの力を強めてこう言う。お前に

ここでの名前をやろう

少し難しい顔して

思い出したかのように

告げていく

『堕…』『…亞』『黒』

『堕亞黒』だ。

堕亞黒、炎の戦士だ

よし行くか、オーラを、燃を収めて、言った。一体どこへ行くんだよ?!

炎のモードの修行場にだよ。アオキは楽しそうに声をあげて短く笑った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ