表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/27

㉔ポテンシャル

墓場界へ堕ちた祝律音。

案内は墓場界

エンペラークラスの陸弦。

僕は不思議と、この今、自分が置かれている状況を不思議だとは思わなかった。すんなりと受け入れている自分がいる。元々、こういった類い、オカルト事が好きなのだ。タロットカード占いをするくらいだから、そうなのだが、心霊スポットや、UFO、UMA、超常現象、都市伝説等々。UFOも3回見たことがある。という事実も、今起きているパラレルワールドにいるという事の方が、今までを圧倒的に上回ってしまった。だから、恐怖もあるが、興味が勝つといった具合だ。陸弦さんは僕を鬼ネコ??って言っていた。全身は白く、エンジニアブーツだけ履いていて、まるで映画の、時計仕掛けのオレンジのような猫。ちょっと気に入ってきたが、この鬼ネコになった自分や、陸弦さんの襲われた時とは、打って変わって、愛嬌のあるおばあさんだけど、どこか圧倒的強者の風格も。……。それに、この電車?汽車?この汽車はまっすぐレールを走っている感じでは全く無い。銀河鉄道のような動きをしている。よくよく見ると、窓枠は髑髏だし、そこから声のような、念仏のようなものも聞こえてくる。シャアアア、*#&@#**#@&… 訳の分からない言葉が聞こえてくる。

人の気配は感じなかったが、僕より2つ先くらい

3人掛けの椅子に、ゾンビのカップルみたいな、2人組みがいて、ヒソヒソと話している。

『おい!!』陸弦さんが呼んでいた。

『はい!』僕はすぐさま、返事をした。

『ボケっとしてんじゃないよ!もうそろそろ駅に着くよ』

『駅…?降りるんですか??』

『あたりまえだろ!着く駅でアンタの生命のモード、使う力、学ぶ力が、決まるんだ。覚悟しとけよ。クックックックッ。』

『使う力か…何があるんでしたっけ?』

ゴツっっ!!ゲンコツで陸弦は僕の頭を叩いた。

『黙ってな!嫌でも着けばわかるさ』

ギィィギィィギィィ、ガタアアアアン

ゴトォォォォン、ガタアアアアン、

ギギギギギギ!

車輪が軋む、酷い匂いが、飛び込んできた。

腐った食べ物と、ゴムが焼け付く、有毒物質が焦げた匂い。鼻をつまもうとしたが、鼻がない。内蔵されてるんだろうか?とにかく揺れと

匂いと、ネズミの大群が、駆け抜けてきて、吐きそうだ!ネズミの大群は、汽車全体に上下左右関係なく走っていく。汽車の髑髏が、警報みたいな音を出し始めた。ピイィィィィ!ピイィィィィィィィィッ!

『墓場警報だよ。もうすぐ着くさ』

陸弦は海賊の船長のように、頼もしくあった。

服が、磁場の風みたいなものが吹いていて

バサバサと陸弦の服が靡く。

波に立ち向かう船長のようだった。

『どこかに掴まってな』

ギギギギギギギ。ネズミは車両の先頭の方に、

大量に帯重なり、布団を積み上げたみたいに

なっていた。

僕は手すりに掴まり、恐々としている外の、

磁場のうねりをやり過ごした。

汽車は停まった。

陸弦は汽車の扉をゆっくりと開けた。

『ほほう、なるほどな。そういうことさな。』

意味深に言うと、陸弦は、汽車の扉から

飛び降りた。

崖にでもなっているのだろうか?

僕は、扉に近づき、外を覗いて見た。

3階建ての上から見てるような高さ、

周りは、1面、赤黒い色で満ちていて、僕が想像していた、地獄というものに、かなり近くて驚いた。都会のような建物の並び、町がちゃんとあって、しっかりと建物みんな、廃墟である。色んなビルや家屋から、煙が出ていて、燃えている家屋や、墓地も広がっている。卒塔婆や、墓石、霊園、ゾンビたちの徘徊、ガイコツが普通に歩いている。ゾクゾクすると共に、僕のオカルト魂は、最高潮に達していた。こんな世界が、現実の世界の7分後に、存在しているなんて!

『何をやっている!早く降りてこい!怖いか!アンタは、もう鬼ネコなんだ。自分の頭の中の、ネコを想像して、飛び降りてみな』

『えっ?あっ!はいっ!』僕は、地獄景色に

見とれていただけとは言えずに、躊躇わず、ネコを想像して飛び降りてみた。

ニャンということでしょう。クルリンパ、クルリンパ、ニャニャニャにゃんと下まで、簡単に降りれてしまった。

『クックックックッほらな!さあ来な。』

僕は、自分の体をマジマジと見つめた。あまりに身軽さと今までの、自分ではない感覚。研ぎ澄まされた、ポテンシャルを感じた。何でも出来る気がした。降りた目の前には、

大きな四角いビルがそびえ立つ、不気味なお化け屋敷みたいだが、駅っぽい。駅ビルか…;。伸びたツルが、ビル全体を覆い、赤黒い錆が、こびり付いている。

陸弦が、『これが、駅の看板だ』と言って持ってきた。

『触』という能力だろう。 人差し指を使い

200kgくらいありそうな駅を支えている柱の1本を浮かしている。柱に貼ってある錆びた、

駅看板には駅名が書いてあった。

『骨暮里』

『なんて読むんですか?この駅』僕は聞いた。


陸弦は『こっぽり』だよ


『アタシは『ほねぽり』って呼ぶがね

クックックックッ。』


『こっぽり…かぁ…

フランシス・フォード・こっぽり …

クックックックッ(陸弦のマネ)』


ゴツッ!ゲンコツで陸弦は僕を叩いた。

『アタシのマネなんて1億年早いんだよ!』



陸弦と祝律音は

汽車髑髏で到着した

『骨暮里』(ホネポリ)という駅。

そこには…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ