⑯終着駅
喰ッ鬼威は、汽車髑髏を救い
罪門も救った。そして到着する
汽車髑髏444は轟音と
共に停車した。ギグギグギギギギ。
汽車の扉が開き
苦ッ鬼威は飛び出た!
おおっここは~
墓場界の終着駅だよ!
罪門早く~早く~
苦ッ鬼威は呼ぶ。
汽車髑髏に手をかけると、汽車に、埋もれている髑髏が悲鳴をあげる。ヒィィィィ、恐ろしや~などと言う。
外はドンヨリとしていて、閻魔大王でもいそうな、赤黒い空と大地に、忌々しいゾンビの群れ。悲鳴の数々。墓場や墓石がゴロゴロと無造作に転がる。空き家の集落地帯が見えるが、所所に煙が立ち登っている。僕は苦ッ鬼威の呼ぶ方へ、ひらりと華麗に歩く猫のように、足速に向かった。
苦ッ鬼威は、20mはあろうかという大きな木の下にいた。その木は右へ左へと大きく、葉がなだれ込んでいて、
気味の悪さを演出している。木の真ん中には顔があった。大きな3つの目、鼻は逞しく、横に拡がっていて、横に5mはあろうかという鼻の穴。
口も帰還船のような形をしていて、薄ら笑っているように見えた。苦ッ鬼威は、その大きな木が咥えている、ぶら下がったいた板のような
駅の看板らしきものを示した。
『髑髏地獄ノ門』
『しゃれこうべじごくのもん』
と書いてあった。喰ッ鬼威は言う。『ここは終点。墓場界の。
この鬼大木の元へ、墓場くんが、見捨てた
墓場界の残骸が、やってくる。
そして裁判が下されて、残れるか消されるか。
この鬼大木に委ねられる。仲良くしておいた方がいい。』
鬼大木は大きな口を開いた。息が漏れただけで
吹き飛ばされそうになる。ぷしゅゅゅゅゅ。 お前はあああ、来たばかりかあああ。この駅に来るなんてえええええ、めずらしいなああああ。
喰ッ鬼威は、鬼大木に触れ、話しかけた。
『鬼大木さん、御無沙汰しております。実は、警ら途中で、飼い主である、こちらの鬼ネコの罪門が、墓場界へ足を踏み入れるしかない状況で、私が、責任も持ち、対処致します。』
おおおお、喰ッ鬼威!久しぶりだなあああ。
そうかあああ、お前がついてるなら平気だなああああ。罪門とやらあああ、こいつは凄い鬼犬だぞおおおお。まあ、まあ何かあったら、オレのところに来なああああ。罪門は『ありがとう。鬼大木さん。お世話になります。』
喰ッ鬼威がついてれば、大抵のことは
平気だろおおおお。ここのモードはなあああああ、………。
生命エネルギーは風ええええ。
使う得意能力はああああ
『凍』うううううう。
しっかり身につけろよおおお。
と鬼大木は、3つの目を瞑り、うんうんと
大きく左右の木までゆらした。
喰ッ鬼威は言う。
『僕は上手く使えないけど…』苦ッ鬼威は太極拳のような型で、白い気を纏い、手に小さな台風を作って見せてくれた。『凍』というと
指先から、氷の結晶がトルネード状になり、
時速60キロくらいの速さでねじりながら放たれた!
ウオッ!凄い!僕は思わず叫んだ!
大きな向こうの端の岩壁の右側に
垂れていた岩が、凍った!そして無くなっていく。
苦ッ鬼威は、凍はね
一瞬動きを止めるけど
その後、水分になる時の毒素で物質を溶かすんだ。
腕に纏わせて毒手として使うことも出来るよ。
そして
探す黄金の卒塔婆は
『感情ノ鎖釜』(かんじょうのくさりがま)
黄金の6本の卒塔婆は
段々と形を変えていって鎖釜に
なっていったんだよ、この感情剣は。
こいつを墓場力を高めて
探さなきゃね。
凍の力をつけるのに
僕も手伝うよ。
罪門は、凍の力にすっかり惚れ込んだ。苦ッ鬼威!凍ってどうやるの?かっこいいじゃん!教えて~。苦ッ鬼威凄いね!墓場力どうやって高めるの?早く使いたい!
よし!早速ヤルぞ!
苦ッ鬼威!
罪門~。よし特訓だ!
ハアッハアッハアッハアッ
鬼大木は大きく木を揺らして
笑った。
罪門は終着駅の
髑髏地獄ノ門に到着した
感情モードは『風』
学ぶ力は『凍』
探す武具は『感情ノ鎖鎌』
(6本の金の卒塔婆の1つ)
罪門と喰ッ鬼威、2人で夜行が始まる。




