①7分後
悪鬼墓場というバンド
悪鬼墓場という小説
悪鬼墓場というイラスト
全部が紐付けされた
パラレルワールド作品です
僕は、西船橋の駅にいる。友達と東松戸で待ち合わせており、
中学の時、同級だった彼がイタリア料理屋を出したので
そこに食べに行く約束をしているからだ。
約束の時間よりは少し早い。12時の約束だが、今は10時35分だ。ゆっくり行けばいい。武蔵野線のりばを探して駅構内を歩いていた。確か12番線だったが、進んでいると途中にいかにも薄汚れた案内板が、目に入った。犯人の予告犯行文に使われるかのような、切り取り文字で『工事の為、7番線のりばはこちらから』という大きさもたがいちがいの文字列。少し気になったので、時間もあるし、7番線のりばを
覗くように足を向けた。ところどころ、構内の柱に案内板が
掛けられていて
片方のネジはとれていて、不安定に揺れている。文字は相変わらず不気味な切り取り文字で『こちらから』と矢印もついているが
コーヒーがかけられたようなシミがついていて、そちらに向かうのをためらわせる。少し進むと右側に上り階段が出てきた。
それに上ろうとした
瞬間、ク、キュイン!ク、キュイン!という音と共に激しく階段が
エスカレーターのように動き出した。僕はあせって上る足を止めようとしたが、もう上半身は引っ張られ
たちまちバランスを崩して転げた。でんぐり返しを上に向かってしているような状況だ。
僕は手をついたりしてみるが、エスカレーターの動きが早すぎて
どうにも変えられない。ク、キュイン!ク、キュイン!恐ろしい電子音が奏でる。でんぐり返しを続け、僕は叫んだ!ぉぉお!おお!エスカレーターは突然、動きが止まり、僕は放り出された。ドサッと鈍い音をたてて
転げた。僕はびっくりして、身体中傷だらけだろうと
あちこち触ると、不思議なことにどこにも傷はない。左目の下にだけ、痛みを感じた。強く爪痕を付けられたような痛み。周りを見渡すと駅のホームへ投げ出されていた。ここは7番線なのか?ホームを見つめるとそこには12番線と書いてあった。12番線は武蔵野線のホームじゃないか!7番線はどこへ行ったんだ??薄気味悪い7番線を覗きに行ったのに。こんなことあるのか?上り階段を、エスカレーターをさがしてみると、どこにも見当たらない。あの音だけが鮮明に頭の中に残っている。ク、キュイン!ク、キュイン!…。夢でも
見ていたのだろうか。まだ動悸が収まらない。
時計をふと見ると
7分が経過していた。
すぐに電車がホームに
入ってきた。まあ疲れてるのかな?幻覚かな?と来た電車にのりこんだ。車内はガランとしていて、人の気配はなく、どことなく不気味な雰囲気が漂っていた。そうは思ったが、とにかく疲弊した、精神を休ませたかった。1番端に座り、深いため息をついた。目が痛い。左目を触ると痛い。傷がついている。鏡を持ち合わせているはずもなく、
電車の窓にどうにか映らないか、席をたち、乗車口の窓に映してみようと見てみると、僕の後ろに、人が立っている。ボォーと映るその姿は、ホラー映画で見たゾンビみたいな、出で立ちで、少し笑っている。一瞬で、全身に悪寒が走る!なんとも不気味な男だ!僕はうわーっ!と声を思わずあげた。その男はいかにもゾンビなのだ。右目が大きく、顔の半分は右目であろうかという目で、その瞳孔は開いていて、顔色は緑色、センター分けの長髪で、やけに明るい黄色の服だが全身、緑色なのでブラジルの国旗のような配色で目立つ。そのゾンビは、驚く僕を見てこう言った
『迷い込んだな』『フフフ』と笑った。逃げ出したくなって走りだそうとしたが、そうしなかったのは、思ってたより、声や言い方が素っ頓狂でひょうきんな印象を受けたからだ。この状況を打破してくれる何かを感じた。『オレはアオキ。墓場界の案内人みたいなもんだな』逃げなかった僕にそう言った。
『えっ!?墓場界だって??僕は死んだのか???』
『いや、死んではいないよ。魂がここにある。ここは墓場界のパラレルワールドなんだよ。墓場界に堕ちたんだよ』『人間界の7分後の世界だ。お前さんは扉が見えて開けちまったのさ』『え?え?え!パラレルワールドだって?無理無理無理』
そうは言っても堕ちたものはしょうがないだろ~。もう墓場界の一員だぜ。もう一度その窓、覗いてみなよ。
僕はそう言われて窓を覗いてみた。
えええええー!!!
化けネコじゃん!??
よく見ると、全身白く
黒いエンジニアブーツを履いており
ネコのように耳が生えていて
目は大きく、左目にアイラインのように5本線が均等な感覚に目の下に引かれている。目が大きく鋭いので、鬼のような…鬼ネコ?。帽子こそ被っていないが、まるで映画の『時計じかけのオレンジ』に出てくる主人公のアレックスの様な出で立ちだ。それのネコ版。鬼ネコ。…。アオキは言った。『鬼ネコなんだからまだマシな方さ。鬼ネコは自由があるからな。』『え?鬼ネコなんすか?やっぱり僕は?』アオキは続けて、ここ墓場界には、パラレルワールドだが、ルールもある。墓場力ってのがいるのさ。そいつを高めていく必要がある。墓場力を維持していかないと、
永久に現実世界とパラレルワールドの狭間で、彷徨うことになるよ。ここには必要な6つのモードがあって、まあ生命エネルギーってやつだな。墓場界には、色んなやつらがいて、死んでるやつもいるし、人間界で生きれないやつが住んでたり、結局、ここを支配してるのは
墓場くんっていう存在。墓場くんっていうの2本の闘牛のような角、ガイコツ顔だが、口はとんでもなく開いて、歯が全部長くて30センチくらいあるよ。その牙とも言える歯は、バラバラに動いて、口から波動砲みたいなものが、飛び出すんだよ。その波動砲はランダムに、怒りと共に、定期的に突然やってくるんだけど、墓場力を高めてないと、あっ!!!っという間に消滅しちゃうんだよ。『墓場くんってヤバいね??』そう。墓場くんには誰も逆らえないさ。100万deathってとんでもないレベルさ。deathっていうのはレベルを表す単位ね。生命エネルギーってのを少しでも維持してないといけないし、保たないと墓場くんに消滅されられるんだよ。そのために墓場力、6つのモードってのがあって
そのレベルを上げるわけね。まず
炎のモード(情熱)
風のモード(感情)
光のモード(心情)
雷のモード(激情)
水のモード(純情)
土のモード(表情)
各モードレベルは999deathまでとされてるけど
超過力ってのが修行か、天性か、色々なバグで
発生するのよ。
それを得ると2000deathとかのレベルに達するわけ。生命エネルギーだからさ、情がある種、
キーワードとして生命エネルギーに関係してる。
本質は生のモード(愛情)を極めると究極の墓場力を得れるんだけどね。そいつを狙う、悪い集団も、最近出てきているよ。
墓場くんがこの愛情の
かたまりを持ってたんだけど、墓場ルールを破る輩がいっぱい出て激高したときがあったらしいのよ。やはり、1線を引いて規律を整えたかったんだろうね。そのときに、生のモードの愛情のかたまりをバッラバラのグッチョグッチョして
これでもかって、波動砲で吹っ飛ばしたんだけど、
悪衣をまとったかたまりがさ、10本の金の卒塔婆に形をかえて、墓場界に散らばってるのよ。それを探す夜行が行われてるとこさ。