おおっ! 後輩君、プレアデス星人だね!
僕は、先輩とお昼ご飯を食べている。
「やーい、キチガイ女と金魚のフン! 邪魔だから不登校になっちまえよー!」
「・・・・・・無視だよ、後輩君」
「はい...」
やっぱり、先輩の同級生には先輩を馬鹿にする人がいる。結構な頻度で、あの人、バカにしに来るんだよな。
「へっ」
「行ったみたいだね」
「先輩、先輩は学校に居づらさを感じないんですか...?」
「ああ、大丈夫さ」
「へぇ~」
先輩は頑強だなぁ、僕は毎日こんなことされたら気が滅入っちゃうよ。
「なにしろ、僕と後輩君はきっと、スターシードだからさ」
「す、すたぁしぃど...?」
「スターシード、他の惑星から来た人間のことさ」
どうしよう、始まった。
「いいかい、後輩君、この宇宙にはいっぱい星があるんだ、だから私たちの前世が必ずしも地球人だったと思うかい?」
「・・・あー...っと...」
「そう! 思わないよね!」
ごり押しだ!
「私たちはスターシード、他の星から地球に生まれた魂なんだよ!」
「な、なるほどー」
「後輩君と私はきっと、プレアデス星人だよ」
「ぷ、プレアデス...?」
「おうし座星団の惑星に生きる人々のことだよ!」
「は、はぁ」
どうしよう、ついていけるかなこの話...
「プレアデス星人はね、互いを慈しむ優しい心の持ち主なんだ!」
「そうなんですね」
とりあえず、こういう時は全肯定のスタンスが大事だ。そうすることが先輩との付き合いの上で大切なことだ、と、僕は思っている。
「そして、特徴としていじめを受けやすいんだ。なにしろ、違う惑星から来ているからね」
「なるほど」
「だから...大丈夫、彼らと私たちは根本から違うんだよ、波動や能力がね」
「能力...?」
「エンパス能力さ、人のことを自分事のように考えてしまうほど、共感力が高いんだ」
「だから、僕たちは人に何か言われても大丈夫なんですか?」
「そう、私たちに何か言ってくる人たちはみんな、私たちの異質さを感じてああいうことをしてしまうんだよ。それより、お弁当、おいしい? 今日のごはんは、自信があるんだ」
「あ、はい。卵焼き、甘くてふわふわでおいしいです!」
「それは良かった、ふふ、笑っている後輩君を見ているのが、一番幸せだよ」
僕が先輩の希望になれているなら、幸せだと思う。きっと、プレアデス星人だから...いや、そんなの関係なく、これが『好く』ってことなんじゃないかと思う。
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帰ってからプレアデス星人について調べた。
繊細で生きづらさを感じるのだそうだ...
先輩がプレアデス星人かどうかは重要ではないけれど、繊細で生きづらさを感じる、これはきっと...先輩なりに...無意識に自覚しているんだと思った。
先輩は平気そうにふるまっているけど、そうでもないのかも...しれない。




