勝負開始
意味わからん話です。
今回は男の子目線の話を書いてみました。
「おい。チョコ」
僕は目の前にいる女に声をかけた。
「チョコじゃない。私は食べれない」
本名、【田原 ちよこ】は僕に目もくれずに低い声で言った。
それに反抗するように僕は呑気な声で彼女に言ってみる。
「まぁ直接的には食べられないけど違う意味でなら食べ」
「黙れ消しカス」
僕の言葉を遮り言われた彼女からの言葉。
「おまっ…消しカスってな!全然本名と関係ねえじゃねえかよ」
僕は声を張り上げてチョコに言う。
「うっさいな…本名何よアンタ」
そんな僕とは裏腹に片耳をふさぎながら嫌そうに僕に問うチョコ。
「本多だよ。本多俊介」
ほらな。消しカスとは何の関連もない。
というような顔で僕はチョコを見た。
チョコが僕をじいっと見てくる。
――――ドクン、
そのまん丸で綺麗で吸い取られそうな瞳に僕の心臓は思わず波打った。
綺麗な顔立ちの彼女を可愛いと感じてしまった。
「やっぱ消しカスじゃん」
「お前耳可笑しいだろ」
前言撤回。
なんでこんなに可愛くねえんだコイツは。
俺は苛つきから頭をポリポリとかいた。
「あ…本多…ほんだ…ほんだ…?ぽんた!」
「俺はタヌキかよ」
「…え?タヌキじゃなかったの…?!」
真顔で口に手をあてながら言うチョコ。
なんなんだコイツは。
俺にケンカ売ってんのか?なんて本気で考えた。
「…で?何の用?」
彼女の言葉でハッとした。
そうだった。話があるから呼んだんだった。
「あ…あぁ、お前に話があるって…アイツが」
僕は教室の後ろにいる1人の男子を指差した。
平然とした態度で。
「あっそ」
素っ気ない態度を見せた彼女。
「行かねえの?」
俺は軽く首を傾げた。
すると彼女は“どうせ告白でしょ?私恋とかしない主義だから”と真顔で言った。
「…あっ…そ…」
僕は彼女から視線を落として呟いた。
「あ」
彼女は何かを思い出したかのように言葉を発した。
「ん?」
「アンタも呼ばれてたよ。あの子に」
そう言って彼女は教室で騒いでる女子を指差した。
「………ふうん」
俺は“俺恋愛しない主義だから”なんて言ってみた。
「えー…仲間じゃん」
「最初のえーって何だよお前」
「まぁまぁ…でもさ、興味はあるのよね」
彼女は僕を見て言った。
彼女は座っていた椅子から立つと、僕の前に立った。
「な…んだよ」
小さな声で聞いてみた僕。なんか弱々しい。
「勝負しない?恋愛しない主義者同士でさ」
彼女はニヤリと笑って僕に言う。
…勝負?
と僕が彼女に問う前に彼女は口を開いた。
「恋しないんでしょ?私もだからさ。ちょっと経験してみない?」
「答えになってな…」
「私と恋愛しない?」
――――は?
僕には意味がわからなかった。
え?というような顔で彼女を見ていたに違いない。
「付き合ってみない?感情ないアンタなら私を好きにならないでしょ?」
「遊びってか」
「ただ付き合うだけじゃつまらないかな…うん…じゃあこうしよう」
彼女は淡々と話を進めるな。それについていけなくて焦る僕。
「ちょ…話を勝手に進めるなっての!」
僕の言葉を聞かずに彼女は話を進める。
「勝負しようか」
「………勝負?」
僕はまた意味が理解できずにいた。
「好きになったら負け」
チョコは僕に向かって強い口調で言った。
綺麗な瞳で僕を見つめる。
僕は一瞬戸惑った。
だが
「…おう、受けて立つ」
彼女にそう告げた。
「流石…消しカス」
彼女は僕に向かってうっすらと笑顔を見せた。
「じゃあ明日から開始ね。期限は…どちらかが負けるまで」
彼女は俺に対して何も感情がないかのようにスラスラと話した。
そんな彼女に向かって僕は真っ直ぐ彼女を見て言った。
「俺は負けないから」
最初から僕はこの勝負に負けていたというのに。




