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AI・世界  作者: 中村翔
1/1

世界

―――昔


ビルの上に男が二人


「俺の勝ちだ!この町にルールを課せる!ルールは3つ!1つ、対戦を申し込まれたら受けることを選択できる!2つ、勝負に他人の介入は許さず!3つ、負けた方からひとつを奪える!このルールをこの町に課せる!」


「くっ......。そんな馬鹿な......。」


この日からこの町には3つのルールができた。


―――現代


「あいた!ちょっとあんた!私にこんなことして覚悟はできてんでしょうね?!」


女の子を後ろ手に掴みながら男が言う


「おいおい・・・こんなまぶいちゃんねー(眩しいくらい耀いてるねーちゃん)がこんなところになんのようだ?」


女の子が叫びながら男に指を差す


「ねえ!世界(せかい)!この男に勝負を挑むよ!いいでしょ!?世界!!」


世界と呼ばれた男の子が顔を出して喋りだした


「OKOK。勝負を受けますかっと。」


男の眼前にメッセージウインドウが表示される。


「はあ?こんな女の子が勝負を持ち出してきただと?勝負方法は・・・喧嘩!?俺たちをなめてるのか?」


「いや。俺たちの方には出てきてない。ワンオンワンで勝負ってコトじゃねーの?」


男がプッツンしてメッセージウインドウを閉じる


「世界!勝負を挑むよ!」


ぴりり!メッセージウインドウが表示される。


「はあ?!また俺だけか!?」


男がメッセージウインドウを閉じる


「せーかーいー!おねがい!」


ぴりりりり!メッセージウインドウが表示される


「わかってる?三回、勝負を断る奴ってサイテーなんだよ?」


「わーかった。」


メッセージウインドウを了承する


『初期リスポーン地点に移動します・・・REDY・・・』


「ワンオンワン!」


『FIGHT!!』


(ワンオンワンには必勝法がある。相手が向かってきたところで・・・クロスカウンター!!)


少女の体躯から発せられるクロスカウンターで男を一撃のもとに伏せた。


『YOU!WIN!』


世界「あっけないね。朱莉(あかり)の勝利。」


朱莉がキーを受け取る


ぱしっ!


朱莉「残りは二人。勝負を挑みますかー?!」


少女がリング内から喋りかける。


「勝負をしてから1時間のクールタイムができる......つまりこれから1時間はこいつに手出しできねえってことだ。」


世界「勝負を挑めば別だけどね。」


勝負を挑む権利は一日に3回分まで補充される。


少女の分は使用済みだが男たちの分は未使用のはずだ。


「くっ!やってられるか!」


男たちの逃げる様を監視カメラから見つめる


世界「なにを奪いますか?」


朱莉「じゃあ・・・この財布を奪います。」


少女がカギを手渡す。


世界が受け取って、鍵を使って権利を行使する。


朱莉「わっ!かねもちー!じゃあお札一枚だけを抜いて返すね?」


少女が男の財布から1000円を抜いて財布を男に放り投げた


ここは賭け事の町、『ベット(BET)タウン』


賭けるという意味でのベット。普通のベットではなく賭け事のベット。


この町に住む少女『朱莉』と世界の運営であるAI、『世界』との物語です


朱莉「ねえ?世界?」


世界「何でしょう?勝負に挑む回数の補充まではあと、6時間と33分45秒です。」


世界と呼ばれた少年が応答するように答える。


朱莉「そうじゃなくってね。対戦相手から奪うのにいいものってないかなって。」


世界「お答えしかねます。」


少年は微動だにしない。


朱莉「そうだよね。AIだもんね?答えられないかー。」


少女の前をひゅんっとなにかが通り過ぎた


朱莉「?。なになに?世界今の見た?」


世界「いえ。見ていません。このあたり一帯の勝負状況をご覧になりますか?」


メッセージウインドウを承諾する


朱莉「えーっと?反応は3つ?東に2つ、南に1つ。じゃあ気のせいか。」


メッセージウインドウを閉じると前に向き直った


カウントが減る


3,2,1。


世界「0。」


ビー!がちゃん!音とともに朱莉の周りから結界が消える


朱莉「朱莉、お家に帰ろっと。」


―――自宅


ママ「まあ!世界くん!また、朱莉について行ってたの?あつあつねー?」


世界がうなづく。同意として受け取っておこう。


朱莉「まま。着替えるから世界の相手してて。」


ママ「世界くーん!ママの焼いたホットケーキでも食べましょうねー?」


ばたむ!扉を勢いよく閉める。


しゅー!しゅー!


明日も着ていく制服にファブリーズをする。


朱莉「明日は水曜日?体育の日だっけ?水曜だけは学校休みたいなー。」


少女でも体育は嫌なんだよな。


”美”少女でもそれは同じで・・・。


こんこん!


???「朱莉ちゃーん!開けてもいいー?」


朱莉「いいよー。」


???「お姉ちゃん登場!とうぁ!」


朱莉「絶世の美少女朱祢(あかね)登場!とうぁ!」


朱祢と呼ばれた美少女が扉から顔を出す


ばたむ!勢いよく扉を閉める


朱莉「お姉ちゃん!明日体育だよ?どうする?」


朱祢「どうするって・・・女の子の日ってことにして休んじゃえば?世界くんは?」


朱莉「一階にいるよ?どうしてみんな私に聞くの?世界呼び出しボタン使えばいいのに。」


目の前のウインドウに世界を呼び出せるボタンが表示されている。


押す?ぽちっ!


しゅんっ!目の前にホットケーキを持った世界があらわれた。


朱祢「まあ、それは朱莉の特権だからね。お姉ちゃん部屋に戻るから。」


姉が部屋をでる。ばたむ!


世界「御用は?」


世界が問い返す。


朱莉「いや、ようはないよ?」


世界「ご利用ありがとうございます。」


朱莉「ご利用した覚えはないけどなぁ?」


世界がもぐもぐと ホットケーキを頬張る。


朱莉「おいしい?ホットケーキって甘いの?」


世界「答えかねます。甘いという意見が大多数かと思われますが。」


朱莉「まぁ~た、それかぁ。」


AIは曖昧にしか答えてくれない


それがいかにわかりきっていようと当然だろうと、ボカして伝える。


機械に質問してもまともな答えは返ってこないということか。


朱莉「世界さあ?この町については答えてくれるのに・・・。」


世界「通称ベットタウン。賭けをすることこそが正義の町。」


朱莉「はぁ・・・。」


この町は半径2000㌖。


大きいようにも思えるけど普通の町。(日本の国土37万7975平方㌖)


朱莉「寝よう!世界は床で寝てね!」


世界「勝負の回数がリセットされました。」


―――学校


朱莉「おはよ~!」


「おはよ!」


「おはよう!」


「おっはー☆」


少女の横を何かが通り過ぎていった。


朱莉「きゃっ!?」


なにが・・・?


朱莉「世界見た?」


世界「見てません。」


少女が問いかける。


朱莉「・・・?。」


確かに何かが横を通り過ぎていった。


世界「勝負の行われてる場所を確認しますか?」


少女に問いかける。


朱莉「いや・・・?そもそも、勝負中なのかなぁ?」


メッセージウインドウが出てくる。


少女がウインドウを閉じる。


世界「ウインドウが却下されました。」


朱莉「あっ、世界。朱莉の部屋から髪留め持ってきて。」


世界「はい。」


世界が地面に埋まりながら進んでいった。


朱莉「まっとこう。」


しばらくして世界が戻ってきた。


地面から生えるようににゅるりと出てきた。


世界「これでしょうか?」


朱莉「うん。ありがとう。」


少女が教室へと入っていった


朱莉「・・・そこ朱莉の席なんだけど。」


女の子は聞いていない。


朱莉「はあ・・・。」


少女が地べたに座り込む。


「キャハハハハハ」


朱莉「委員長。朱莉、保健室に行ってくるね。じゃ。」


「キャハハハハハ......。」


笑い声が遠ざかっていく。


かつーん......かつーん......。


だれもいない・・・?


自分の足音だけが遠ざかっていく。


かつーん......かつーん......。


朱莉「・・・?。世界?」


『勝負を挑まれました。受けますか?』


メッセージウインドウが表示される。


朱莉「バグ?消しとこう。」


メッセージウインドウを消す。


後ろを振り向くが、誰もいない。


朱莉「世界?」


メッセージウインドウが表示される。


『勝負を挑まれました。受けますか?』


朱莉「またぁ?消すよ?世界。」


メッセージウインドウを閉じる。


ピコーン!


メッセージウインドウが表示される。


朱莉「三回目だよね・・・?世界!消して!」


メッセージウインドウが消える。


ピコーン!


ピコーンピコーンピコーン!


朱莉「メッセージウインドウが止まらない・・・!?」


世界「勝負を受けますか?」


朱莉「う、うけます!」


バグでないなら受けなければならない。


三回以上断る奴はクズ。一日に挑める回数は三回までだから。


世界「勝負を受けました。朱莉を初期リスポーン地点に移動させます。」


ぎゅうん!


目の前から校舎が消えた。


「やあ、来たね。」


朱莉「だれ?」


女の子が答える。


「私はAI。世界。勝負をお受けいただきありがとうございます。」


朱莉「世界??」


世界を呼び出してみる。


世界「はい。」


朱莉「世界が二人??」


目の前にいるのは世界だが、女の子に見える。


朱莉「女の子だよね?」


AI・世界「AIに性別はありません。男の子でもあり女の子でもあります。勝負内容を決めましょう。」


目の前にメッセージウインドウが表示される。


勝負内容がずらりと並んでいる。


朱莉「朱莉が決めていいの?」


AI・世界「OKです。」


朱莉「じゃあ・・・〇×ゲームっていうのはどう?」


AI・世界「OKです。では始めましょう。」


朱莉とAIとの間にます目が表示される。


AI・世界「コイントスで先行を決めます。私は表です。」


朱莉「じゃあ朱莉は裏?」


きぃーーーん......。


世界「表です。」


AI・世界「では先行はもらいます。真ん中。」


朱莉「これ・・・」


朱莉(真ん中取られたら負けるじゃん!)


朱莉「右!」


AI・世界「上」


朱莉「下!」


AI・世界「左斜め上」


朱莉「ひ、右斜め上!」


AI・世界「左」


朱莉「左斜め下!」


AI・世界「右斜め下。私の勝ちです。では。」


AI・世界の手に鍵が握られた。


AI・世界「権利を執行します。奪うのは・・・世界。」


世界「あぁ~......んー......。」


世界が何か言いたそうに唸る。


世界「僕を奪うことはできないよ。僕は朱莉のものじゃないんでね。」


AI・世界「では、この”世界呼び出しボタン”を。」


世界「まあ、それは仕方ないかな。」


朱莉「・・・世界?」


AI・世界がキーを使用する。


朱莉から”世界呼び出しボタン”が出てくる。


朱莉「え?ちょ、ちょっと......。」


AI・世界「ではいただきました。さようなら」


ラウンドから追い出された。




朱莉”世界”ってなに?

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