表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ドンドン商店街殺人事件  作者: お針箱
2/7

パズルのピース

次の日 


四人は再びネコちゃんの部屋に


集まった


しぶ樽が自分の店から


冷えたコーラを持ってきてくれた


炭酸の苦手な柴崎君のために


オレンジジュースを忘れない




ネコちゃんは


テーブルの上の手紙を睨んでいる


手紙には妙な物が同封されていた




「これジグソーパズルの


ピースじゃない?」




しぶ樽がコーラの瓶を片手に


身を乗り出した




あの頃 コーラといえば


ガラス製の瓶だった




「う~ん 確かにピースだ


ピースに書いてある


2❤という文字も気になる


でもこれ一つじゃ何もわからない」


ネコちゃんの眉間にしわが寄っている




ネコちゃんの本棚には


『地球の図鑑』『気象天文の図鑑』


などが並んでいた


本と言えば漫画本しか持っていない


ゴエモンの目の前に


未知の世界が広がっていた




『私は犯人を知っている』




「犯人って じゃあ ばあちゃんを


殺そうとした人がいるの? 怖いっ」




バヤリースが首をすくめた


色白でまつ毛が長く


話し方も優しい柴崎少年の前に出ると


悪ガキどもは我知らず


紳士的な態度をとってしまう


気付けばみんなナイト


そんなところから


ついたあだ名が『姫』


勿論 本人は気に入らない




「なんで『姫』なんだよ」




「おそらくこの手紙の送り主は 


ピースを一つずつ送ってくるだろう


一体いくつ送り付けてくるつもりだ?」


ネコちゃんの眉間のしわが深くなった




「いまうちの姉ちゃんがやってる


パズルは2000ピースだよ


そんなにあったら完成する頃には


僕たちお爺さんになっちゃう」




姫は 頭の中で


ハゲ頭を寄せあってパズルに取り組む


数十年後の自分たちを思い浮かべた


数十年後の白髪のしぶ樽が振り向いた


「あたしはお婆さん」




その夜 四人に一通ずつ封筒が届いた


そしてそれぞれにパズルのピースが


一つずつ同封されていた


24・★4・67・4❤


これでピースは五つになった

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ