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冬の朝/お菓子交換/しりとり

1.冬の朝


「寒すぎる……」

布団から出られないまま私はつぶやく。

もぞもぞと右腕をなんとか頭上に伸ばしてスマホを手に取り、メッセージアプリを開いた。のんこを選んで『さむい 布団から出られん』と送る。

すぐに既読がついて『おなじく〜』と返ってきた。

『学校とかむりすぎ……サボりたい』

『せっかくの皆勤賞途切れさすのかもったいないぞゆるみ〜』

『皆勤賞とか誰も気にしてないでしょ……』

もぞもぞうだうだ。冬の朝の布団は魔物がいるとしか思えない。

そこで突然スマホに着信が入る。画面に表示された名前はのんこだ。スピーカーボタンを押して電話に出る。

「なに急に」

『わたし気づいちゃった』

「え?」

『今日、祝日』

言われて、首を捻って部屋の壁に掛かっているカレンダーを確認する。

「天才か」

『でしょ。もっと褒めていいよ』

「最高最高。二度寝する〜〜〜」

『わたしも〜〜〜』

通話を終了させスマホを元の位置に置き、改めて布団に潜り込む。

「はぁ〜〜〜」

冬の朝の無限二度寝、最高。



2.お菓子交換


「ねぇゆるみ〜お菓子交換したい」

放課後の教室で、のんこが前の席から体ごと振り返ってそう声をかけてきた。

「いいよ。あ、でも今プッキーしか持ってないけど」

「プッキーいいじゃん!時々食べたくなるよね〜」

「そうそう。限定味も買うけど、やっぱりノーマルのに戻ってくる」

そう言いながらバックからプッキーの箱を取り出して机の上に置いた。

「わたしはね〜グミ」

「のんこ最近よくグミ食べてるよね」

「そうなの〜なんかハマっちゃって。今日はこのグレープのふにふにのやつと、コーラのかったいやつ」

「バリエーション揃えてるのさすが」

「色々食べたいからねー。はい、どうぞ」

のんこはグミ2種類の袋をバックから出して開け、私の前に置いた。

「ありがと。こっちも適当に取っていいよ」

私は箱から取り出したプッキーの袋を開ける。

「ありがと〜豪華おやつうれしい」

「大げさ」

軽く笑いながらグレープ味のグミを手に取り口に入れた。

「これおいしい」

「でしょ〜最近のお気に入り。ゆるみもグミ沼においで」

「いこうかな。なんか買って帰ろ」

「ほんと?じゃあおすすめ教える!えっとーこれなんだけど」

のんこがスマホで画像を見せて説明してくれるおすすめグミ情報を聞きながら、おやつタイムはしばらく続いた。



3.しりとり

「眠気覚ましにしりとりでもしない?」

昼休みに教室でお弁当を食べた後、私はのんこに提案した。

「いいね〜しりとりとか久しぶり。じゃあゆるみからどうぞ」

「おっけー。りんご」

「ゴリラ」

「ラムネ」

「ねこ」

「こま」

「まー、マントヒヒ」

「ひ……ヒヤシンス」

「すー、スナメリ」

「スナメリ……リップクリーム」

「むーーームツゴロウ!」

「海」

「み、み……ミナミケバナウォンバット!」

「みな……なに?」

「ミナミケバナウォンバットだよー」

「なにそれ初耳なんだけど……これしりとりだよね?めずらし動物名前並べゲームじゃないよね?」

「しりとりだよぉ。あたりまえじゃん」

「いやのんこ途中から変わった動物の名前しか言ってないから。なにその縛り」

「昨日テレビで動物特集みたから〜」

「あぁ……で、えっと、と?灯台」

「い〜〜〜イチゴヤドクガエル!」

「そこはいちごで充分なのになんかまた知らないやつきたー」

そう言って私が笑うと、のんこもケラケラと楽しそうに笑った。

気づけば眠気はどこかへいって、しりとりはまだまだ勝負がつきそうにないのだった。

作者は別に動物詳しくないのでめっちゃ調べました(笑)

ミナミ……とイチゴ……は初耳です

ありがとうYa◯ooきっず図鑑

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