バランス
休日出勤翌日の日曜、朝の女児アニメを見て二度寝、昼過ぎに起き、花粉が舞う春のラチエン通りを海岸まで散歩。帰ったら再び自室に籠りカモミールティーで一息。飲み終えたら猫のポチを枕にして昼寝。16時半に目覚めてポチに手を添えたまま夕方アニメを視聴。執筆作業に取りかかるころには18時を過ぎていた。いつものこと。
とある兼業作家の執筆量は出勤日に5千字、休日は1万字という。わたしもそれを目指しているが、実際はその半分以下になる日が多い。これは戒めとして機会あるごとに明記しておきたい。かといって待っている読者さまがいらっしゃることも考えると速さだけがすべてではない。
というのはプロ作家には許されないので、速く、しかも面白く。どこかクレペリン検査を彷彿させるような謳い文句である。ちなみにわたしの1桁同士の足し算の1分間における作業量は1検査あたり最高で90台、最低で60台である。この波形がなんたらかんたらで個人の性格等を測る。
翌月曜日は11時に起きて正午に整骨院でマッサージを受け、雄三通りの蕎麦屋でランチ。寄せては返す青空の浜辺を散歩して帰宅。揉み返しによる倦怠感で寝込んでいるとあら不思議、2日間の休みが明け、暗黒入りの火曜日。この日は午前は事務作業、午後は普通列車の運転台に便乗して折り返し地点の車両所へ保転払いする小さな部品を届ける。
保転払いとは……。前提として、事業所が保有するする部品は、同じ会社内ではあってもその事業所単独の財産である。例えば森崎家の家財が親戚の森崎家の財産ではないように。
部品を含む各財産は社内サーバーで一元管理されており、その保有情報は各事業所の端末から誰でも確認できるようになっている。今回は鎌倉総合車両所が潤沢に保有している部品の一部を他の車両所へ渡しに行くかたち。
余談だが、部品を過剰に保有していると《《見なされる》》と、半期周期で行われる棚卸しで財務部に怒られ、次期予算を削られる。逆に不足していると、必要な部品を車両に取り付けられなくなって欠車発生の可能性が高まる。つまり、車両の品質や過不足は企業体質に左右される。
それはともかく理想はカツカツでも多すぎるでもなく、程よい量を保有していること。
これは物語でも同じ。ただ目的に向かって進むだけでも蛇足が多すぎるでもなく、いくらか遊びがある程度の仕上がりが良い。
さて、作業着のまま部品の入った小包みを持って鎌倉総合車両所を出発。まずは試運転を行う旧型電気機関車、いわゆるPF機に乗って大船まで。この車は折り返して目的地とは反対方向の熱海へ向かうので、わたしはここで横浜方面の普通列車に乗り換える。
便乗は可能な限り知り合いの乗務員が担当する列車が心理的に良いので、本人に予め連絡して乗務列車を教えてもらった。乗務変更されてませんように。祈りながら、列車の到着を待つ。




