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森崎夢叶の18きっぷ  作者: おじぃ
設計

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会社勤めの創作活動

 鉄道の話をひとしきり終えたところで、わたしたちは黙々と食事を楽しんだ。新鮮な刺身類、金目鯛の煮付け、特製かぼちゃプリン。うまいものは現実から少し、気を遠ざけてくれる。


「ところで師匠」


「師匠……?」


 急に何? と言わんばかりに目をパチパチする舞ちゃん。


「会社の仕事と創作の仕事の両立って、どうすればできるのでしょうか」


「うーん、それは……」


「それは?」


 勤務中は創作意欲に満ち溢れ、帰宅するとそれが嘘のように失せる。ほかのことをしてしまう。睡眠不足になる。繰り返しの日々に終止符を打ち、健康的無限創作ロボもりさきゆめかへの変身を遂げたい。


「私が知りたい」


「ふおおお……」


 な、なんてこった。フォロワー15万人のまるたんやんま様なら自己管理キッチリ、生産性バッチリかと思っていたのに……。


 実際に舞ちゃんは乗務員という不規則な仕事をしながら美麗なイラストを多く生み出している。その極意を知りたいのに。


「まず大前提にね、会社で余計な仕事はしない」


「余計な仕事とは、例えば通信教育とか、ポイント稼ぎのアクションでしょうか」


 わたしたちが務める日本総合鉄道は、通常の業務のほかに通信教育や業務改善活動等でポイント、学校でいうところの内申点を上げて給料に反映させるシステムがある。これが結構時間を消費する。


 後者の業務改善活動は、そのときは時間を消費するけれど、効率化を実現すれば後に定時退社につながって元が取れるから、気が向いたらやってみると良いかもしれない。


「通信教育もね、やりたいこととか、関心のあることだったらいいと思うの。ただ単にポイント稼ぎのためにやるなら、その分は創作活動で稼いだほうが人生の実になるし、額も大きいよっていうお話」


「その点は大丈夫。わたしは定時退社史上主義だからね。サボりも含めて合理性を突き詰め現在に至るよ」


「夢叶ちゃん、そういうところは器用だもんね」


「そういうところは」


 ある程度性能はセーブしないと他人の仕事を押し付けられるからね。ほんとうに忙しいときだけ本気出す。


「ふふふ……。後はね」


 悪びれない笑顔。


「後は?」


「SNSを見過ぎない」


 真顔。


「それな」


 結局それだよね。うん、それだ。

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