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神様達の悪巧み

神様とユキ姉さんの会話

「やっと学院に入学か」


ユキは白い世界であった場所が色鮮やかな世界に変わっているのを見ながら、隣に立つ青年に声を掛けた。


「ハナは前世と全く違う姿になったが……」

「それでもハナはハナのままよ。頭が良くて優しいし、運動は苦手だけど頑張り屋のままよ」


ユキは優しい目で、色鮮やかな世界を見詰める。


「其方は如何だ?」


青年の青紫の瞳が、ヒヤリとした色でユキを見る。


「アイツは苦しんで死んだよ。当たり前よ、ハナを殺したんだから」


つい先日死んだもう一人の妹を思い出し、ユキの目にも冷たい怒りの色が浮かぶ。


「なら、問題は無いな。入学式直前にゲームでのヒロインとやらの立場に放り込んでやろう」

「本気でアイツをヒロインにするの?」

「ゲームではヒロインだ。だが、此処は現実。単純な世界では無い」

「でもアイツがゲームの知識をフル活用したら……」


ゲーム通りになるのでは、と苛立ちがつのる。あんな奴に良い思いなど、欠片もさせたく無い。


「ゲームなど所詮、人の作ったモノ。アイツの思い通りになど、何一つなることはない」


彼は、憎む魂が粉々になる程の現実を用意しているらしい。


「だが、ゲーム通りに行動させるのも面白い。悪役令嬢であるカサンドラをその様に行動させるか」


ユキはゲームをしないからカサンドラ、と呼ばれた子が何をするのかわからない。だが、悪役、となればそれなりに意地悪をする事は理解出来た。


「学院に行くのが嫌になるくらいやってくれていいよ」

「それではヒロインがざまぁされないよ」


青紫の瞳が楽しげに細められる。

神様達は悪巧みをしています。

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