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魔傷と言う呪い

セレナは何がしたかったのか、誰も理解できません。

「これは魔傷です」


シオンナリスが、眉をしかめながら口を開いた。


「魔傷。では、制約を破ったから発動した呪い、ですね」


アリアも痛そうに眉をしかめ、ケロイドになっている傷を見ていた。


魔傷では回復魔法も浄化魔法も効かない。


「取り敢えず、彼女は王宮の魔術師達に任せよう」


デニスロードの戸惑った声に皆、頷くしか出来ない。


魔傷の扱い方を知っているのは、王宮の魔術師でもごく一部だろう。


「これが魔傷と断定されたら、彼女は学園を退学になりますね」

「当然ね。魔傷を受けるなんて、貴族の恥ですもの」


シオンナリスとリーヴシェランの会話を耳にしながら、アリアは気を失ったままのセレナを見る。


彼女が何をしたかったのかが、今も分からない。


この世界がゲーム、という物語りと言われても自分達は生きているから、物語の中では無いのに彼女は頑なに自分は主人公だから、と周りを振り回していた。


「確かに彼女も主人公かも知れないけど、それは自分の人生のであって、この世界のじゃ無いわ」


マキリミリアの言葉がしっくりくる。

自分の人生の主人公だけどね。

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