諦めの悪い女に対して
頭の中がお花畑さんは、都合の悪い事は無かったことにしてるのかも。
肩透かしの様な泉のイベントからまた数日経った。
学院内はそろそろ夏休みだと浮かれている様だが、執務室に集まるメンバーは、渋い顔をしているデニスロードを見詰めていた。
「次は屋上イベントか」
デニスロードが呟くと、シオンナリス先生が頷く。
「こちらのイベントは気を引き締めていきませんと」
「手摺りの工事は終わりましたので、後日、屋上は開放されます」
ジークハルトが書類を捲りながらアリアを見た。
「準備はしております」
アリアも表情を引き締めて、ジークハルトを見た。
このイベントが殊更危険なものは皆、十分理解している。
念入りに準備をしても不安は残る。
「ナビ子爵令嬢、一つ聞きたい。アイツは前半8個のイベントの内、既に5個失敗しているし、後半のイベントなど全滅しているのに何故諦めないのだ?」
硬い表情のデニスロードにマキシミリアは首を横に振る。
「分かりません。数を数えられないのでは、としか思えません」
既に7つイベントを失敗しているのに、セレナは諦める様子も見せない。
「意識操作がされている、とみた方がいいかと思います」
シオンナリス先生の言葉に執務室の中にいるもの達は頷いた。
正気であるのに、あれ程失敗を重ねても諦めないのは、あり得ない。
そして、屋上イベントへの対策はバッチリです。




