アリアの実力
アリアちゃんは賢者並みの知識を持っていた。
「こんなに大切にしてくれる皆様を、私も守りたいのです」
アリアがキュッと手を組み、見慣れないピアスをしているデニスロード達を見る。
今回の関係者全員が、魔法具を受け取る為学院長室に集まっている。
執務室ではないから、親しげな口調を控えながらも必死に訴えた。
力は弱いが、その知識の深さは賢者並みのアリア。
「フロランス伯爵令嬢の提案を受け入れよう」
デニスロードがゆっくりと頷いた。
ホッとした顔で、デニスロード達のピアスに手をかざし、掛けられた方が驚くほど強力な護符の魔法を掛けた。
「……アリア嬢。魔術大全集を読んでいたのは、この為だったのですね」
リーヴシェランの護衛をするレオニアスが困った様な顔をした。
「ラモン学院長が腰を抜かしそうね」
ラモン学院長は渋い顔をし、リーヴシェランは、苦笑しながらレオニアスのピアスを見る。
護符の魔法は、精神への魔法の完全防御。
魔力はそれ程使わないが、使えるものが少ない高等すぎる魔法だった。
「私は、それ程強い魔法は使えませんが、少しでもお役に立ちたいので」
高度な魔法を使えるのに、魔力はあまり高くないアリアのアンバランスさにリーヴシェランは首を傾げた。
「もしかしたら、フロランス伯爵令嬢は創造神ユリシリア様の加護を受けているのかもしれませんね」
シオンナリス先生が可能性を口にする。
アリアの瞳の色はユリシリアと同じ青紫。
特別な加護があっても不思議ではない。
「創造神ユリシリア様の加護なんて恐れ多いです。私は人よりちょっと多くの本を読んでいるだけです」
アリアの読書量がちょっとの範囲に入るのか、そろそろ疑問が浮かぶがデニスロード達は一応、頷いた。
運動神経が全部知識習得になった様です。




