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愛称を付けてみました。

ゲームに逆らう為には些細な事も試します。

「カーラも可愛いが、音を考えるとサラの方が良いようだな」


誰も呼んだ事がないカサンドラの愛称。

デニスロードだけの呼び名は2人の仲が良好だ、と周りにも伝わるだろう。


「カーラ様……。ゲームではカサンドラ様はいつもカサンドラ様と呼ばれておりましたから、ゲームと違って凄く良いかも」


ナビ子爵令嬢の言葉に皆の目が、ちょっと大きくなった。

ゲームの内容に逆らうならば、もっと違う要素を取り入れた方がいい。


「ならば、全員の愛称も変えてみませんか?例えば、レオアニス様はなんて呼ばれていたの?」


アリアの目がキラキラと輝く。


「レオアニス様はレオ様。デニスロード殿下はデニス様。シオンナリス様はシオン様と呼ばれてました」

「それならナビ子爵令嬢はなんと?」

「……私はナビのミリア、と」


彼女の目が悲しげに揺れる。

どこか記号のような呼び名だ。


「マキシミリア……。マミなんて可愛らしくて良いのではないかしら?」


カサンドラの言葉にマミと呼ばれた彼女が頬を染めて頷く。


「レオアニスはレニだな。その方が呼びやすい」


ジークハルトの言葉に今度はレニと呼ばれたレオアニスが、ブンブン音がしそうな程首を縦に振る。


「アリアはアリー、ジークハルトはクルト、リーシェはシェラ……。無理ですよ、オランド先生。いくら何でも、教師に愛称を付けるなんて」


非常に寡黙なシオンナリスがじっとデニスロードを見ていたが、デニスロードは首を振った。

彼らの会話がなんか楽しい。

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