ナビしてくれるのよね。
ゲームではナビしてくれるキャラは可愛い子。
シオンナリスルートでのイベント場所を確認したセレナが、これからの事を考えてにやにやしながら歩いていると
「やっぱり、生ヒロインは可愛いなぁ」
と、背後から声を掛けられた。
セレナが振り返ると、其処には緑色の髪をおさげにした少女が立っていたい。
「あなたは誰?」
「私はマキシミリア・ナビ子爵令嬢よ」
髪と同じ緑色の瞳が楽しげに笑っている。
「えっ!ナビのミリア?」
「やっぱり貴女も転生者ね。そうだと思った」
ニコニコ笑う姿はゲームのナビをしてくれたキャラにそっくりだ。
「で、さっそくだけど。貴女、どのルートを行くの?王道のデニスロード様?騎士のレオアニス様?それとも……」
ミリアの問いにセレナは鼻息荒く
「逆ハールートに決まってんじゃない。折角ヒロインに転生したんだから、イケメンの王太子達、全員を侍らせなきゃ意味ないわ」
と、断言した。
「そう、逆ハールートね。了解したわ。ちゃんとナビゲートはするから」
ミリアはクスッと笑い、メモ帳を取り出した。
「まずは定期試験で一位を取ってね。取れたら次のイベント場所に案内するから」
事務的に予定を言ってまたクスッと笑う。
「解ったわ。逆ハーの次のイベントは確か、シオンと廊下での出会いイベントよね」
「そうよ。試験、頑張ってね」
それだけ言うとミリアはクルッとセレナに背を向け、教室に入っていった。
1人残ったセレナは鼻息荒く、次のイベント場所へ向かった。
ナビちゃん、頑張れ。




