表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

鼻くそ英雄カイトの伝説         

ままま、まさに英雄。

常軌を逸したヤツがそこにいた。


その名も、カイト、とある人間の鼻くそだ。

鋭く賢く偉大なカイト、彼は鼻毛に引っかかってティッシュからの猛攻をものともしない。

粘り気、硬さ、大きさ、全て彼がそこにいるという事に協力していた。

カイトの、今この場所に在り続けるという強い意志がソレらを呼び寄せていた。


ティッシュはカイトを引っぺがそうと、暴れる。

「耳クソ!うぜぇんだ!」

カイト、鼻毛にしがみつく。

自分の持てる力の全てをただそれだけに向けて。


「諦めてッ……!たまるかぁぁああああ‼‼」

周りの鼻くそが引きちぎられていく、ついでに鼻毛も。

カイトの体だって、削れていく。

「オレは!オレは―――――――――――――――‼‼」

気合を入れるための、悲鳴に似た叫びがこだまする。


そうして、ティッシュの猛攻が止んだときカイトは唯の鼻クソだった。

強い意志も、体も、限界を超えて耐えていたのだ。

燃え尽きた。

死ぬ。


しかし、ティッシュアタックフォーメーション“紙吹雪の舞”によってカイトを取る事を諦めた人間は病院でカイトを取ってもらった。


こうしてカイトは英雄となった。

鼻くそでありながら、人間を病院へ行かせた事に。

そしてその結果、甚大な鼻の病気が見つかったのだ。

自分の生みの親である人間を救う。それこそカイトの目的であった。



人間はカイトの死によって命を救われたことが偶然でないと、知らない。

だがしかし、それを偶然と思いつつも時折懐かしむのだ。

変な鼻くそがあったおかげで助かった運が良かったのだろう、と。

自分が気づかぬうち誰かに助けられて生きてると思う事など無く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ