雨になりそう
木漏れ日の光に紛れて、やんわりと、
消えていけたらいいなんて、
そんな寂しいことをKは言う。
Kにとって、この世界は、
朝が来て、また日が昇って、
地球は回って、ただそれだけのものだ。
自分の、間の抜けたところが、
ありありと見えることぐらい、
誰にだってあるだろうに。
Kは、しょい込む質で、
防ぎようが有るような、無いような、
おかしな日常を送っている。
消えていけたらいいな。
Kの口癖が、霧みたいに浮遊している。
溜め息が、あちこちで聞こえる。
蒸し暑い日曜日になった。
探している言葉が見つからない。
そういう事もあるさと、
また、前を向く。
Kの口癖が、雨になりそうだ。
見つめるけど、
かからないようにしよう。