表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/44

1-7 俺はブルと会話した

「ダイジョウブカ?」


ブルは再度俺を心配する言葉を喋った。


「お前、俺の言葉が分かるのか?」


「イママデ、ワカラナイ。イマ、ワカル」



 日本語を覚えたての外人のような喋り方だが、これで意思疎通が楽になった。

 体調の異常といい、ブルの体躯の変化といい、言葉を喋るようになった事といい、この短い時間の中でいろいろとありすぎだ。

 理由については現時点において憶測の域を出ないものばかり。

 もっとこの場所、ブルの種族についてどこかで知る必要があるだろう。


「ブル、ナマエ、アリガトウ」


「俺が気まぐれにしただけだ。深い意味はない。気にするな。」


「ナマエ、アル、ツヨイ。ナマエ、ナイ、ヨワイ。アリガトウ」



 こいつらの中では名前の有無で強弱が分かれるようだ。

 しかし、実際に強くなったのかを見るまでは判断できない。

 次に緑が襲って来た時にでもその実力を拝見させてもらおう。


「聞きたいことがいくつかある。まず、ここはどこだ?」


「バショ、ナマエ、シラナイ」


「では、お前たちは何者だ?」


「オラタチ、オラタチ。タダ、ニンゲン、チガウ」



 場所の名前も分からずに、自分の種族名も分からないのか。

 こいつ、なんも知らんな。


 わからんことは後回しだ。今まで通り「青」と「緑」ということにしておこう。



「この森の出口に出たい。もしくは人間が住む場所に行きたい。道はわかるか?」


「デルバショ、ワカラナイ。ニンゲン、スム、ワカラナイ。デモ、ニンゲン、イル、ワカル。」


「どこかに人がいるのか?そこまで案内しろ」


「ワカッタ。ツイテクル」



 喋り終わると同時にブルは立ち上がって歩き出そうとする。


「まぁ、待て。もう夜だ。お前らがどうなのか知らんが、人間は寝る時間だ。出発は朝にしよう。」


「ワカッタ。イク、ヨベ」



 ブルは近くの大木に寄り掛かって目を閉じた。

 俺も疲れた。体力的には問題ないが、精神的にいろいろありすぎだ。


 適当な木によじ登って、朝になるまでいろいろと考えながら休んだ。




 日の出とともにブルの案内で歩き出す。

 人に会えれば街にもいけるだろう。

 とにかく今は昨日おこった異常の原因を知ることが先決だ。

 例えばもし戦闘中にでも同じ異常が起こった場合、俺が死ぬ可能性だって存在する。


 そんな事を考えながらブルの後を追う。




 ここに来れてよかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ