1-2 男はまだ異世界だと気づかない
ひとまず100PV達成ありがとうございました!
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森に入って三日が経った。
服が乾いて浮き出た海水の塩分でパリパリになった事以外はおおむね順調だった。
一番問題と思われていた水問題は木で解決出来た。
水に木と書いて水木なる木から水分が得られることを電気屋で見た海外のドキュメンタリー番組の主人公が自慢気に説明していたことを思い出した。
試しに近くの木をコンバットナイフで切り落としてみる。
結果、水が滴り落ちるほどではないがチューチュー吸えばのどの渇きが解消されるほどの水分量を誇っていた。
食料に関しては問題なくはないが食えない程ではない。
カエルや蛇は手掴みで、ウサギは木を削って作った簡易投げナイフで捕まえて食べた。
問題点としては火がないために生食となってしまうことだが、仕方ない。
求めてはいないが、普段味わえない素材の味を十分に感じられた。
素材の味は血の味だった。
木の上で仮眠をとって、今日も森を歩いておよそ3時間。
小さいながら川のせせらぎが聞こえてきた。
急に喉の乾きを思い出し、音の鳴る方目指して足早に先を進んだ。
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・・
「あ˝-超うめーわ」
3メートルほどの幅がある川の水をすすり、俺は極上ののど越しを味わっていた。
川の水はこれまた見たことないほど透き通っており、カニや魚もちらほら見受けられる。
うん、住めるな。
パリパリになったTシャツとジーパン、ボクサーパンツを洗って近くの枝で干す。
森の小川での全裸解放に酔いしれ、捕まえた蟹をバリバリ頬張った。
30分ほど小川の幸と森のイオンに酔いしれていた時、森の方からガサガサと音がなった。
急いでまだビショビショのボクサーパンツを穿いて音の鳴る方へ注意を向ける。
音はだんだんと近づいてくる。
ウサギやタヌキにしては音が小さすぎる。
最悪熊か虎までも覚悟した。
「グギャ」
現れたのは棒切れを持った緑色の人?だった。
身の丈は130cmほどで頭身数が明らかにおかしく4頭身より小さい。
つまり頭がでかい、そして禿だ。
あと、顎もでかい。
長い顎は見ることはあってもでかい顎を見たことは初めてだ。
下顎から生えているでかい立派な2本の牙を見る限り、硬いものを毎日よく噛んでいるのだろう。
なんでも柔らかいものを求める現代人には見本にしてほしいものだ。
もちろん俺は御免被るが。
「グギャ」「アガッ」
同じような緑の人が2匹、後を追うように出てきた。
匹換算していることからどうやら俺はこれを人と認められないらしい。
原住民の方々なのだろうか?
3匹のうち1匹が持っているのは剣のようだ。錆びて刃こぼれしまくっているのだが、それはそれでなかなかエグイ 。
鋭利な刀で切り割かれるか、ノコギリのような歯で引きちぎられるか、後者の方が嫌な奴は多いはずだ。どちらも嫌という意見は当然却下する。
どうやら先住民の方々にとって俺は敵らしい。
各々手に持つ武器を掲げながら突っ込んできた。
俺との距離はおよそ30メートル。
重たそうな頭をゆらゆらさせながらそれでもなかなかの速さで走ってくる様子は、さながらバブルヘッドのようで滑稽だ。
まずはウサギ狩り用に作った投げナイフで先頭の緑の両目を潰す。
次の相手には接近し、振り下ろされた棒切れを右手で受け止め、左手で貫き手を首に突き刺し首の骨を強引に折る。
思った以上に剛力のようで受け止めた少し右手がしびれた。
最後のぼろ剣を持った緑には剣を振り下ろした先に左手の緑を構えて盾にする。
剣は左手の緑の頭に突き刺さったまま抜けないようなので2匹目が持っていた棒切れを拾って左目を付く。
「グガァー!」「ギギャー!」
緑の言葉で痛いと言っているのだろうか?
片目と両目を潰された緑は目に手を当てながら転げまわっている。
痛がるリアクションは人間にそっくりだった。
とりあえず2匹の緑の方々はうるさいから慈悲をもって息の根を止めた。
左手に持ってた緑も並べて置いた。。
血が臭くてねばねばしてて青色で臭い、早く洗おう。
体についた血を洗い、再度ボクサーパンツを洗って干した。
乾くまで暇だったので今度は小魚をバリバリ食べた。
やっぱり血の味だった。