第7話 冒険者ギルド
宿屋から少し行くと剣と盾の看板のある店を見つけた。
武器屋だ。分かり易くてよかった。
店前には剣や斧、槍等が置かれていた。
「ゆっくりと、見ていきたい所なんだけど・・・・」
ラルフさんを待たせるのは流石に申し訳ない。
えっと・・そこから右だったっけか・・・
お?この建物か?
冒険者ギルドらしき建物を発見。
大きさは先ほどの宿屋より一回り大きいか。結構でかいな。
俺は冒険者ギルドの扉を開ける。
中はまるで酒場のようであった。
冒険者らしき人々が沢山居て、立ち話やテーブルに座り酒?かな?を飲みつつ談笑していた。
なかなか雰囲気あるな。
おっと・・急がねば・・・
俺は受付らしき処にいる受付嬢に話しかけた。
「すいません。冒険者ギルドに登録をしたいのですけど・・・」
受付のお姉さんは割と美人だった。
薄い茶色の髪に翡翠色の瞳、可愛いというより綺麗系だな。
そしてピンッと立っている尖った耳!・・・・・・尖った耳?
思わず受付のお姉さんの耳をガン見してしまった。
「あのぉ、どうなされました?」
受付のお姉さんは、ちょっと引きつつそう言った。
「あ、すいません。もしかしてお姉さんはエロ・・・いやエルフという種族なんでしょうか?」
「はい、そうですが。もしかしてエルフを見るのは初めてなのでしょうか?」
そらそうよ。エルフなんてゲームの中でしか見たことないわっ!
「はい。俺のいる地域ではエルフは見かけなかったもので。」
―――エルフのお姉さん。アウラさんが言うにはこの国でエルフは珍しくないとの事。
というより各地にあるらしい冒険者ギルドの受付は大抵エルフ族が行っていると聞いた。
「まぁ冒険者ギルドがあるのは東大陸だけなんですけどね。えっと・・・アイル様は冒険者ギルドへの登録を行いたいとの事でよろしいでしょうか?」
「はい、よろしくお願いします」
「ではこちらに署名をお願いします」
ブルータス、お前もか・・・
「すいません、最近こちらの大陸に来てまだ字が書けないんです。」
「もしかして西大陸からいらしたのですか!?それは大変でしたね・・・」
え?そんなに遠いの?西大陸。
「では私が代わりに代筆させて頂きます。お名前はアイル様でよろしいでしょうか?」
「はい、アイル・クーリッシュと言います。お願いします」
アウラさんは俺の返事を聞くとスラスラと書類に俺の名前を書いてくれた(多分)
「では登録が完了致しましたので、次に冒険者制度についてご説明させていただきます。」
―――大体の事は分かった。
冒険者というのは、討伐、採取、狩猟3つの中から自分に合った依頼を受け、こなし、報酬を得るということだ。
これはゲームをやっていたから簡単に想像は出来た。
更に冒険者には階級があり、銅、青銅、鉄、銀、金そして最上級の白金があるとのことだ。
銅から青銅や鉄から銀へのランクアップには必ず試験があるという事。
試験の内容はまちまちであるらしいが難易度は変わらないとの事。
試験については依頼をこなしていくうちに打診があるとの事。
また金や白金に上がる為には国の一番偉い人。つまり国王等からの推薦がないと上がれないとの事。
まぁ、冒険者資金もらう為に登録しに来た!なんて言えないので黙って聞いた。
「これで説明はすべて終了ですが、ご質問等はございますか?」
アウラさんは一通り喋ると満足そうに、そう聞いてきた。
「はい、問題無しです!」
「そうですか。それではこれが冒険者登録を行った皆様への準備金と、これが階級の証となります。こちららの証は体の見える位置に着けておいてください。一目で冒険者と皆が分かるように」
アウラさんはそう言い、お金が入っているだろう麻布袋と、銅のタグのようなものを渡してきた。
そう言われ、俺は胸の辺りにそのタグを付けることにした。
「それでは、これから冒険者として頑張ってください。」
アウラさんは笑顔でそう言った。可愛い。
俺はもう少しアウラさんと話していたかったが、さすがに待たせすぎなので
ギルドを出て宿屋へ向かう。
向かう途中麻布袋の中身を確認すると確かに銀貨が20枚入っていた。
これで何とかなるだろう。
俺はラルフさんのもとへスキップで帰った。




