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第6話 リゼル村到着

荷馬車に乗って2時間ほどだろうか。リゼル村らしき村と門が見えてきた。


おおぉぉぉ!まさに村!って感じだ。

木で出来た門、門の周りには簡単な木の柵があり、村全体を囲っているようだった。


ラルフさんは門の前で荷馬車を止め、門の傍にいる衛士に話しかける。


「どーも、オラリオから小麦の買い付けに来た行商人のラルフと言う者じゃ。村へ入りたいのじゃが通っていいかの?」


そう言うと衛士は


「遠路はるばるご苦労様です。こちらに貴方の名前をご記入ください。」


そう言い薄い木の板の上に紙を置いた物と羽ペンのような物を差し出してきた。

ラルフさんは荷馬車から降り、その紙に自分の名前を書いているようだ。

書き終わると俺の方を向き


「ほれ、アイル。お主も降りて来て書かんと入れんぞ。」


ですよねー。

俺は荷馬車を降りて、その紙に自分の名前を書こうと・・・





・・・・何語?




そりゃ異世界なのだ。日本語じゃないよな。

戸惑っているとラルフさんが急かしてきた。

ちょっ、待てよ(某アイドル風)


「あのぉ、俺この国の文字が書けないんです。代わりに書いてもらっても良いですか?」


俺は正直に言った。だって書けないんだもん。読めもしないし・・・


ラルフさんは頭に???を浮かべつつ、少しして気付いたように言った。


「なんじゃ。アイルはもしかして西大陸側から来たのか?」


西大陸?この国とは違う大陸があってそこは文字文化が違うんだろう。


「そうなんですよ。つい最近こちらに来たのでまだ文字を覚えていなくて・・。」


「ならワシが書いてもかまわんかの?」


ラルフはそう言い、紙に俺の名前を書いてくれたようだ。(読めないけど)


衛士は署名を確認すると。さわやかな笑顔で言った。


「リゼル村へようこそ!私たちは貴方達を歓迎します。」


あー笑顔が眩しい。スマイル百点だ。

俺とラルフさんは、そんな爽やか衛士に見送られ村へ入った。


村へ入ると同時に俺は興奮した。

ログハウスみたいな家々が連なり、行きかう人々もチュニックのような中世ヨーロッパ風の服を着ている。

露店ではさっきラルフさんにもらったミミカの実や他の果物も沢山並んでいた。

くぅっ、異世界最高!


「・・・・。・・・ィル。・・アイルッ!」


はっ!?ラルフさんさっきから俺を呼んでいる事に気付いた。

俺はラルフさんの方へ振り返ると


「お前さんは字が読めないんだったよな。それじゃ宿もとれないだろうから一緒に行こうか。」


「はい。よろしくお願いします。」


俺はラルフさんの後を着いていく。

宿屋に着くとラルフさんは言った。


「流石に宿代くらいは持ってるよな?」


持ってないですSir!


「すいません・・・持ってないです・・・」


ラルフさんはため息をつきながら言った。


「どうやってここまで来たんじゃ・・・。まぁ良い、冒険者ギルドに登録すれば冒険の一時金として20シルバーはもらえるから、とりあえず冒険者ギルドに行ってこい。どうせ登録するんじゃろ?」


登録するだけでお金もらえるのか!ラッキー!


「じゃぁ、さくっと登録してきます!ちなみに冒険者ギルドは何処にあるんでしょうか?」


文字読めないから場所もわからないんだよね。

すると宿屋の受付のおばちゃんが


「冒険者ギルドならここからまっすぐ行って武器屋を右に曲がった場所にあるよ。」


おばちゃんナイスゥ!


「ではいってきます。先に宿に入ってても・・・」


「どうせ宿の記帳もワシがするんじゃから待っとるよ。ほれさっさと行ってこんか。」


そうでした。

流石俺達のラルフだぜ!と心の中で思い俺は速足で冒険者ギルドへ向かった。



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