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第4話 現地民との遭遇

「ははっ・・・・はははははっ」


やった!やってやったぞ!

震える声で俺は笑っていた。

そりゃ、あんなバカでかい鬼に襲われて無事プラス倒しちまったんだから。


ん?待てよ?スキルが使えるってことは・・・


「《能動探査(アクティブソナー):人》」

俺はゲーム内で覚えたスキルの一つを使用した。


『探査結果:600m東 1つの個体を認識』


このスキルは使用する時に生物名、種族名等を後ろに加えると約800mの範囲でその生物、種族がどこにいるかを検索してくれるスキルである。


「意外と近いっ!?森の中にいるんだろうか」

俺はソナーの反応があった方向へ割と急ぎ足で向かった。

また鬼が出たら嫌だもの・・・。


「意外と森出口まで来てたんだな・・・」

少し行くと森が切れ、ちよっとした草原へ出た。

そしてそのまま歩き続け、街道を発見!

近くに小太りのおっさんが荷馬車の前で立ち往生していた。


俺は初めての人との遭遇に歓喜し、思わず叫んだ。


「人だぁぁぁぁ!やったああああ!」


「うぉっ!?なんだぁ!?」


おっさんはビクッと驚きこっちを見た。


「なんでぇ、冒険者か?ビックらこいたわ!」


「あっ、すいません。つい人に会えた感激で・・・」


「お、おう?そうか、ところであんちゃんよぉ。ちょっと手伝ってくれねーか?」


おっさんはそういうと荷馬車の後輪部分を指さした。

つられて俺は荷馬車の後輪部分を見る。

岩に挟まって動けないそうである。


「ワシ一人じゃ荷馬車がビクともせんでのぉ、まぁ二人でもきついか・・・」


おっさんはそういうと荷馬車の後ろに回った。


「あ、大丈夫ですよ、多分俺一人で何とかいけると思うんで」


俺はそういうと荷馬車の荷台部分を下から掴んだ。

あっ、軽いわ。


「おいおいあんちゃん。それはさすがに無r・・・・」


無理と言いかけたおっさんの口がポカーンと開いている。

それはそうだろう。荷馬車が浮いているのだから。


軽く持ち上げつつ俺はおっさんに聞いた。


「おっさん。これどうします?」


「・・・・お、おう・・・。岩の無い場所に降ろしてくれ・・・」


おっさんにそう言われると俺は岩の無い少し左の道にゆっくりしと荷馬車を降ろした。


「あ、あ、あんちゃん。す、すげー力持ちなんだな・・・」


おっさんはたじたじになりながら聞いてきた。


「そうでも・・・ありますね!多分・・いや結構力あるんですよぉ!」


そら荷馬車抱える奴とか普通におかしいわ!びびるよねー!

あんなに軽いとは思わなかったんやもん。もっと重いアピールすればよかった。


「とりえあえず、助かったよあんちゃん。ありがとな!しかしあんちゃん。徒歩でここまできたのかい?結構距離あったろ?」


おっさんは礼を言いつつ質問をしてきた。

俺はまさか気づいたら森の中なんて言えず、少し嘘を交えながら答えた。


「ちょっと森の中で遭難しまして、もし近くの村に行くのであればご一緒させていただいてもよろしいですか?」


「いいけどよ。森ってまさかこの先の森の事じゃねぇよな?」


「そうです、この先の森を抜けてきました。」


おっさんの目が点になった。


「オーガの森を抜けてきたってあんちゃん・・・まじかー・・・・」


あ!そうか・・・この森には鬼がいたんだった・・・。

やっべ・・・・


「オ、オーガがいるんですか!?おれは会わなかったなぁ、こ、幸運だったんだなぁ!!」


と慌てて嘘をついた。あの3mもある鬼を倒したとか言ったらおっさん心臓止まると思ったので


「そ、そうか。よかったなぁ!あそこはオーガが巣くっててな冒険者5人くらいのパーティでもきついっていうぜ?あんちゃん幸運だったな!」


「で、ですねー。神に感謝しとかないとっ! はははっ!」


まーじかー。やっぱきついかー。


「まぁあんちゃんが無事だったから荷馬車も動いたわけだしな!さっ、乗った乗ったリゼル村乗せてやんよ!」


そう言われ、俺はおっさんの荷馬車に乗せてもらった。



ん??



リゼル村とかゲームの世界にあったか?


「あのー?一つ質問いいでしょうか?」


俺は嫌な予感がして、おっさんに聞いてみた。


「ここってターナスとどのくらい離れてます?」


ターナスとはゲーム世界における主要国家の一つだ。


おっさんはキョトンとし、こう答えた。


「は?ターナスってなんだ?」


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