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第3話 初戦闘

2本角のお兄さん(鬼ぃさん)はもう目の前まで来ていた。来てしまわれた。


「ゴガアアアアアッ!」

鬼ぃさんは空手を振り上げて俺に向かって拳を振り下ろす。

思いの外大振りだった為、俺は真横に野球選手も褒めたたえるようなヘッドスライディングを決めた。


ドゴォォンッッ!


あまりの音に振り向くと地面を少し抉ったような跡と拳がそこにはあった。


「ひぃっ!」


無理無理無理無理!

死にますっ!あれは絶対に死にますわっ!

だって地面抉れてるんですよ!?俺の体突き抜けちゃうよあれ!?


恐怖で足がガクガク震え、もう涙も少しでてきちゃった。

あれ?ちょっと漏れて・・・そんなこともう気にする余裕なんてなかった。

必死に足の震えを抑えようと、手で足を抑え立ち上がろうとした。


だがそんなことをやっている場合ではなかったのだ。

鬼ぃさんの2撃目。


「ゴガアアッッ!」


今度はあまり振りかぶってないので避けられそうもない。

鬼の渾身の右ストレートが俺の顔面目前に迫る。


あっ、終わった・・・即死やんそんなん・・・・


俺は目を瞑り、この世との別れを告げる。


ドゴォンッ!


あぁ、短い人生だったなぁ。こんな事になるならもっと有意義な人生を送ればよかった・・・

あとは天国か地獄か・・・どっちに行くのかなぁ・・・


目を開けた先は天国・・・ではなかった。


目の前に蹲る鬼が居た。


「ウゴァァァ・・・・ゴァ・・」


拳から大量の血が噴き出し、肘から白い何かが皮膚を突き破って出ている。


「は?」


え?死んでないの?今ので?

俺は恐る恐る自分の顔を触ってみた。


「あ・・・あ・・・あるぅ!顔あるぅ!!!」


そこには一切の傷一つない自分の顔が確かにあった。

もう泣いたね。それは子供の頃父親にぶたれた時より泣いた。


しかし殴られた俺のほうが無傷で殴った方の鬼が重症ってどういうことだ?

蹲っていた鬼がヨロヨロと立ち上がった。

弱っている鬼だがこちらへの攻撃の意思は感じる。

右手はもう使えないのか左手を大きく横にかざし、ラリアットを打ってきた!


頑張れば避けられそうな攻撃なのだが、俺はその攻撃を右手で受けてみることにした。

怖いけどね。また少し漏らしたような気がした。


鬼の左手と俺の右手がぶつかりそうになった時、俺の右手から光る透明の板のようなものが右手を包んでいた。

その板と鬼の左手がぶつかる。


グギィィッ!


鬼の左肘から先が曲がっちゃいけない方向に曲がった。


「グガァッ・・・・ゴガッ・・・」


鬼は再び悲鳴のようなものを上げ蹲った。


「もしかして、スキルも使えるのか・・・」


俺は確信した。

今の光る透明な板はゲーム内で俺が覚えたパッシブスキル《反射》だ。

パッシブスキルが使えてるってことは・・・もしかして・・・・!

俺は蹲る鬼に手を翳す。


「これ何も出なかったら叫んでるだけの痛い奴だなぁ・・・」


そう思いつつもゲーム内で獲得した魔法の名前を叫んだ。


「《貫けっ!フローズンスピアッ》」


俺がそう叫ぶと翳した手から巨大・・・な・・・槍が・・・・でかすぎじゃない?

ゲーム内のこの魔法は全長50cmくらいの氷の槍が手の平から発射されるんだけど・・

そう思いつつも全長2mはある氷の槍が鬼の胸を・・・全身を貫いた。


「ゴガッ!?・・・・」


氷の槍に貫かれた鬼は口から血を噴き出し絶命した。


俺は安堵のあまりその場にへたり込んでしまった。

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