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第14話 初めてのパーティ

「パーティ・・ですか?」


「そう、ギルドで依頼を受けたんだけどわたし一人じゃちょーっときついかなって思って。で、考えてたところにキミが戦ってたからどんな奴かなってみてたのよ。初期魔法しか使えないんだろうけどあの威力は目を見張るものがあるわ!」


初期魔法以外も使えるんだけどね。まぁ駆け足で魔法が使えるって割と凄い事なんだろう。

黙っておくことにしよう。

でもパーティかぁ・・・俺の依頼これで終わったんだよなぁ。

腹も減ってるし・・・・


「ありがたいお話しですが、もう採取の依頼もこれで終わりましてお腹も空いていますのでおことわ・・」


「待ちなさいっ!私の依頼の報酬を半分あげるからっ!あとお腹空いてるならこれも食べていいからっ!」


慌てて少女は懐からサンドイッチを取り出し、俺に渡してきた。


んー。ここまで言われちゃ引き受けないわけにはいかないか?


『あるじぃ・・・お腹空いたぁ』


シロも腹すかせてるし、仕方ないか。


「そこまで仰るならお引き受けします」


俺とシロはサンドイッチを受け取るとペロリと平らげた。


「ずいぶんお腹減っていたのね。まぁいいわ。それで依頼なんだけどここから1時間くらい歩いた場所に洞窟があるんだけど。その洞窟に住んでいるジャイアントリザードの討伐よ。報酬は銀貨10枚だから半分の5枚がキミの報酬ね」


ふむ。報酬は悪くないな!

ジャイアントリザードはゲーム内序盤に登場したモンスターの名前と一緒だ。

てことはそんなに脅威ではないだろうか。

まぁオーガより強いなんてことはないだろうから大丈夫だろう。


「判りました。それで構いませんよ」


「おっけー。パーティ成立ね!というかサンドイッチ食べた時点でキミに受ける以外の選択肢はないんだけどねっ!」


まぁ食ったけどさ。


「わたしはクーリア・フ・・・。クーリアよ。クーって呼んでくれて構わないわ」


「俺はアイル・クーリッシュと言います」


軽く自己紹介をするとクーはシロを見た。


「その子、もしかして契約魔獣なの?」


「ええ、シロって言います」


「凄いわね・・・駆け出しでもう契約魔獣がいるなんて・・・しかも可愛いっ!・・・・ちょっと抱かせてっ!」


そういうとクーはシロを抱きかかえモフモフしだした。


『あ、あるじぃ・・・助けてぇ・・・・』


『すまんシロ。我慢してくれ』


『そんなぁ・・・』


暫くシロを触り続けて満足したのか、クーはシロをゆっくり降ろすと


「さ、さぁ、出発するわよ!」


と若干赤みがかった顔でそう言った。

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