第12話 初めての依頼1
掲示板は3つあり、それぞれが討伐、採取、狩猟の依頼が記載されてるっぽい。
一番左にあった掲示板を見てみる。
ふむふむ。なるほど、わからん。
とりあえず貼られている紙を1枚とってシロに見せる。
『シロ、すまんが読んでくれないか』
とりあえず今度文字の勉強しよ・・・書けるのは無理かもだけどせめて読めるようにしときたいし。
『オッケーだよっ。えっと、トクヤクソウのサイシュってかいてあるよ。カズは10コでホーシューはギンカ50マイだって!』
おぉ、かなり高いな!採取だけでそんなにもらえるのか!・・・でもこの草、どーっかで見たことある気が・・・。
『オーガのモリってところにはえてるんだって!これにするの?』
OK理解した、やめよう。もっと安全な奴を探そう。
銀貨20ってのはこの文字の事だから、5~10枚くらいの奴を受けよう。そうしよう。
俺は特薬草の依頼紙を掲示板に戻し、再び依頼を探す。
お?これなんかいいんじゃないか?
手にしたのは銀貨5枚の依頼紙である。
『これはヤクソウのサイシュだよっ。カズは20コでバショはムラのシュウヘンってかいてあるよ』
うん、これにしよう!周辺ってことはそんなに移動しなくていいからな。
流石に村周辺にあんな奴いないだろ。
俺はアウラさんの所へ依頼紙を持っていき依頼を受諾してもらう。
よし、サクっと終わらせて今日の晩飯は豪勢にいきますか!
俺達はギルドを出て村の外へと向かう。
村の門を通ろうとした時、衛士が声を掛けてくれた。
「おや、もうご出発ですか?」
「あ、いえ。ギルドの依頼でこの周辺に生えてる薬草を採取しに行くんですよ」
「なるほど、冒険者とは思ってましたが」
「まぁまだ駆け出しのひよっこですけどね」
「では少し気を付けてくださいね。この周辺にはゴブリンが生息していますので。結構討伐されてるので数はもうそんなにいないのですが」
ゴブゥ・・・。やはり魔物いたかぁ。
そりゃ、さくっと採取して帰るくらいなら冒険者にわざわざ依頼しないもんなぁ。
まぁオーガより強いってことはないだろうからなんとかなるか。
「はい、出来るだけ見つからないように採ってきます。ご心配ありがとうございます」
「いえいえ、では頑張ってきてください」
激励の言葉をもらい、俺たちは村の周辺を散策する。
ふぅ。これで10個目だ。意外と見つからないもんだな。
もう昼すぎたくらいか。食堂で弁当作ってもらえばよかったなー。
俺は腹をすかせながら残りの薬草を探す。
あれ?シロはどこにいった?
『あるじー。あっちほうでこのクサいっぱーいはえてたよ!』
そう言いながらシロがこっちへ走ってやってきた。
『でかした!シロ!この依頼が終わったら好きなもん食っていいぞ!』
『やったー!ボクはおにくがいいなっ!』
そういってその場所へ来ると確かに薬草が沢山生えていた。
これ30個くらいはあるぞ。最初からここを見つけれていればもっと早く帰れたなぁ。
そう思いつつも俺は残りの薬草を採っていく。
「ゴボァゥ・・」
『ん?なんかいったか?』
『ボクはナニもいってないよ?』
『そうか、すまん。風の音と聞き間違えたかも』
「ゴボ・・ゴボァ・・・」
音の正体が気になり、後ろを振り返る。
手に棍棒を持った緑色の彼がそこにいた。
・・・・・うん。何か知ってた。




