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第10話 禿、去る

ちょっと!?なにしてくれちゃってんのこの神!もとい禿は!?


『禿言うのやめんか・・・・』


えぇ・・・嘘だろ・・・。

どうすればいいんだ・・・。


『なんじゃすごい落ち込み様じゃな。だがすこーし考えてみよ。今のお主は顔、身長、強さどれをとっても以前のお主より格段に良い!あの世界で活躍しようものなら金持ちにだってなれるし、女の子にだってモテモテじゃぞ?』


まぁ、身長は低い部類に入ってたけどさ。顔は・・・悪くなかったと思いたいが流石にゲームキャラよりは下だ。

・・・実は生きてましたで戻れたりしない?


『無理じゃ、諦めよ』


神は死んだ by ニーチェ


『いや、ここにおるぞ』


うっせぇよ。わかった、わかったよ!もう諦めるしかないんだろ?


『理解してくれて助かるのじゃ。まぁ儂もほんのちょ~っと悪かったと思うておる』


人差し指と親指の隙間に豆が入りそうなくらいの空間を開け神は言った。


悪気小さすぎだろっ!?せめて林檎くらいのでかさはあってほしかったよ!?


『まぁ儂も悪気があるってことで、神城君にプレゼントを1つ用意したのじゃ』


プレゼント?


『そうじゃぞ。何と儂の眷属、この白狐を主に授けよう。』


そういうと神は手と手を合わせる。するとポンッっという音とともに真っ白な可愛らしい小狐が現れた。


可愛いなおい!モフモフしてんぞ!触りたい・・・


白狐は俺の足元へすり寄ってきた。


『白狐も主を気に入ったようじゃ。まぁ苦難は色々あると思うが、めげずに頑張ってくれ。儂もここからたまーにお前さんを見ておるよ』


たまにかよ。まぁ禿に四六時中見られてるよりはいいけどさ。


『禿じゃないしぃ、神だしぃ!』


お前何処のJKだよ・・・


『ほれ、白狐に名前をつけてあげんか、名によって契約が結ばれるからの』


そう言われ俺は白狐の名前を考える。

うーん・・・・


「やっぱ白いからシロかな」


『安直じゃのぉ・・・・』


うっせーよ。ボキャ貧なんだよ、ほっとけ。


名を決めると白狐の体から白い光が全身を包み込んだ。

5秒ほどでその光は薄くなり、消えていった。


『あるじっ!よろしくねっ!』


白狐のシロが喋った。


か、可愛いなこのやろぉ!あとでモフモフさせてもらおう。


『どうじゃ?プレゼントは気に入ってくれたかの?』


「気に入った!やるねぇ!流石神様!」


『そうじゃろそうじゃろ。何せ儂は神だからな!ただの禿とは違うんじゃ』


禿と言われたの結構根に持ってんな。


『おっと・・・そろそろ時間のようじゃな。シロと共に二人で冒険するも良し、新しい仲間を加えるも良し、良い旅路をここから祈っておるぞい』


そういうと神は元のミニキャラに戻り部屋も最初にいた白い空間へと変わった。


『では、また夢の中で会おうぞ。主が会いたいと思えばたまーに顔を出してやらんこともない』


最後までケチくさい神である。


次の瞬間、俺は目を覚ました。

ベッドの横にはシロが居た。

やっぱ夢じゃなかったのか。

そう思いつつ俺はシロをモフモフすることにした。



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