プロローグ
コントローラーを持ちゲームをしている青年がいる。
薄暗い室内の中でテレビの光だけが輝いている。
時刻は既に午前3時を過ぎたいた。
「よっしゃ!これで99週目クリア!次で記念すべき100週目だ!」
目を赤くし、青年 神城 当麻は小さくガッツポーズをとった。
彼が現在プレイしているゲームは5年前発売された『神と竜の伝説』というゲームである。
発売当初から難易度がおかしいとゲーム会社にクレームが殺到するくらい
ゲームクリアが困難なゲームであった。
さらにこのゲーム。週を重ねる毎に難易度がどんどん難しくなっていき
1週目をクリアした人でも2週目がクリアできない等、結構ハードなゲームである。
だが困難なゲームであればあるほど燃える彼は、このゲームが大好きであった。
こんなコアなゲームを100週もするのは彼くらいのものだろう。
「よし、100週目突入!」
俺はそう言うとオープニング画面のスタートボタンを押した。
「・・・・ん?」
突然の出来事に思わず声が出た。
何故なら、スタートを押したにも関わらずいつものOPムービーが流れないのだ。
「壊れたとかないよな?まじでやめてくれよ・・・・?」
俺はとりあえず本体の電源を1回切ろうと思い、電源ボタンに手をかけようとした。
その時画面に小さなキャラと文字が表示された。
キャラクターはこのゲームに登場する神様のミニキャラ。
そして文字は『転生しますか? Yes/No』
俺はひとまずコントローラーを置き、少し考える。
「100週目のボーナスなのかな?神系のキャラが操作できるようになるって感じか」
初めての特典に俺はワクワクが止まらない!
「もちろん。Yesだ!」
そういうと俺はコントローラーを持ちYesを選択する。
すると画面のミニキャラがニコっと笑い
『それでは、よい異世界生活を』と文字が表示され、目の前が真っ白になった。
「は?」
俺は文字の意味が全くわからなかった。
しかしその数分後、俺はその文字の意味を理解することになるのであった。




