雪ん子から始まるようです。
ゴオオオオォオオォォォ!!
目を覚ませば最初に視界に写ったのは荒れ狂う雪山でした。
『確かに自然から生まれたけど…氷山から生まれるなんて聞いてないわ天使。それに…なんで体が小さいの?身長は170cm に設定したのに。』
でもその他は間違いなく設定した通りのようだ。
水色で銀に輝く髪色。長さは足首まであるロングストレート。目は地球の青色。肌は白。
服は白の振り袖風。頭には雪の結晶を象ったレースの袿を被っている。
更に種族は雪女だ。
『…子供から始めろってことね。』
それなら仕方がない。赤ん坊から始めるよりはいい。
『さて、先ずは安全な場所と住む家を探さないとね。』
ここは私が生まれた場所ではあるものの、寝られるような場所ではない。洞窟とか木の虚でもないかしら?
テクテクテクと雪に埋まることなく歩き続ける。人間だったら凍死しているだろうけど、雪女である私には暖かく感じる。不思議だ。
『あ、森がある…』
一時間くらい歩いた先には森があった。針葉樹が沢山ある森のようだ。
『凄い大きいのね。樹齢はどれくらいなのかしら?古の杉の木みたいね。』
大人20人は必要な程の太い幹だ。これなら虚もありそう。
『あ、あった!』
木の股…根がある場所に大きな虚…穴が空いていた。中に入ると中の部分が何もなかった。とても広い空間になっていた。
『虫とかいないし、誰かのお家でもなさそうね。よし、家にしちゃおう!』
そうと決まれば家を改装しなければ。
『土の上で寝るわけにはいかないから氷で覆って…と。後、何か探さないと寝られないわ。毛皮とか?う~んちょっと怖いかも…。』
地面の整備は済んだから外へ役立てる物を探しに行く。
でもまさか初日で運命的な出会いをするとは夢にも思わなかった。




