アイを知りたかった君に
恋愛要素薄目でポエミーです。恋を知らない作者が綴ります。ご注意ください。
とくり、とくり、
響いてくるおと。
温かい指。
全てが愛しくて、たまらない。
こんなにも哀れなほど、想っている。
とくり、とくり、とくり、
君の柔らかいおと。
温かいと君は言う。
優しいと君は言う。
君は「愛」を知っている、と、言う。
温かいのも、優しいのも、「愛」を知っているのも、本当は君の方。
離したくない
閉じ込めたい
私だけのものに、したい
こんなに醜い感情を抱いてる私を、君は知らない。
私が笑むのも、触れるのも、愛を紡ぐのも、
君だから。
この醜い想いは「愛」じゃない。
君の「愛」は汚くないから。
君は知らない。知っていることを。
わたしは知っている。知らないことを。
それでも手放したくないのは、
この想いは、
醜いわたしのエゴなのだ。
温かい手はわたしの手を握り返して、
それも愛だよ、
と呟いた。




