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第三話
受話器を取る。
もう一度、もう一回話したい。指が動く。
その瞬間にプルルルとうるさく鳴り始める。
もしもし?
電話に出る。
「ごめん、また。あのさぁ、覚えてる?あの時、俺たちの出会った時」
えっーと覚えてないな。
それだけ言った。
「あの時は……」
二十年前
俺は小2だった。
そこで、あいつと出会った。
机にうつ伏せに寝ている。うおい、おーい。寝てるならいっか。
歩きだそうとすると返事がきた。
「なに?」
これ興味ないか。
手渡すと興味深げに言った。
「なんて読むの?これ」
宇宙って言うんだぜ。
これが出会いだった。
そのまま電話は切れてしまった。
次の日
飛び立つまで、あと一時間。
じっと、テレビを見つめる。
インタビューがあって、いろいろ話している。
あと五分。携帯電話をテレビにしてマンションの屋上に行く。
あと10、9、8……息を吸う。
「ガンバレよ~~~!!!!」
力一杯に叫ぶ。
聞こえたかな。
そう思っていると、微かにだが聞こえた
ガンバルよ!!