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第二話
そうか……よかったな。
ついに行けるんだな良かったな。
いつ、行くんだ?
そこまで言って止まる。
「明日なんだ。あぁーどうしよう眠れなくて困るよ」
電話の向こう側で白い歯が見えるようだった。
頑張れよ。
自分の精一杯の言葉だった。
電話が切れる。
プープーと音がなる。
14年前
おまえ、遊ぼうぜ。
いつも通りに誘う。だが、彼は言った。
「本を買いに行くんだ。ごめんね」
裏切りだ。そう思いが駆け巡った。
そこから一週間だけ無視をした。
でも、彼は僕に話しかける。
ブラックホールがねとか、流れ星はねとか。
そう彼は宇宙も俺も捨てられなかったのだろう。
彼は一週間ずっとずーっと、話しかけてきた。
分かったよ。
それが一週間ぶりの言葉だった。