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しかしなんだ。
この幼女の名もこんな所にいる訳も何一つ知らないが、憑依したという事はこの身体にあった魂は死んでしまったという事である。
周りの者達にも自身の身体にも奴隷の象徴たる刻印が刻まれていないところを見ると、まだ奴隷になる前だったのだろう。
ならば自身の所有権は自身にあるという事だ。
だったらこんな場所にわざわざ居てやる必要もないのでさっさと脱出してしまおう。
ついでだしこの者達も逃げられるようにしてやろうと"探索魔法"を使い、建物全体の構造を把握する。
自身のいる場所が地下だとわかったのでまず入り口付近に防御壁を展開し、外側からの侵入を出来ないようにした後、少し派手な音が出るので気付かれるのを遅らせるために、地下全体と地上までの数百メートル先までの音を遮断する"サイレント"を展開して準備は完了。
壁に手を置き数百メートル先まで掘り進めるイメージで長いトンネルを作り、そこから更に上へと掘り進めトンネルを開通させた。
脱出通路の出来上がりである。
全員に回復魔法をかけながら声をかけた。
「この地獄から抜けたいのであれば手を貸してやる。私についてくるかどうかは好きにするといい。」
脱出が叶うという希望が彼等の背中を後押ししたのか、全員が縋るように私の後を追ってきた。
絶望に染めた瞳は今は希望の光を宿しているのが嬉しく思ったのは内緒だ。
さて、今の世界がどうなっているのか見に行こうではないか!




