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春の七つ星は、心のつばさを宙に描いて

作者: 逢乃 雫

春なずむ


風のハーモニカを



聴きながら


歩くいつもの交差点で



木の芽雨の


しずくに煌めき出す



並木のつぼみは


エメラルドのように



雨宿りの


枝に佇む春告鳥(はるつげどり)



やがて雲間から


さしこむ光を翼に浴びて



早花月(さはなづき)


風は新たな


季節のプレリュード



謳うように


ゆれるカモミールの



白い花びらは


爽やかな香りとともに




春のななつぼし


夜空に煌めく星の鍵



北の空高くへと


浮かび上がる


おおぐま座の星々



夜をひと(さじ)ずつ


すくい上げるように



(そら)を上りゆく


北斗七星は



季節の扉を


開く星空の鍵


春を切り拓くように




春のななつぼし


星空に羽ばたく光の翼



季節のメトロノームが


刻みゆく時を



駆け抜けるように


新たな季節へ



七つ星が描く


翼は彼方に



舞いゆく宙の


続きを見つめながら




翼があるから


羽ばたくのではなくて



羽ばたくために


つばさを描いて




春のななつぼし


晴れ間もあれば風の日も



時に雨音のスタッカートに


心を澄ませる日も



春のななつぼし


聴こえくる新たな楽章



日々はまるで


リハーサルのない舞台のように



春のななつぼし


見上げた宙には星の翼



鳥は風に向かうとき


より高く飛んでいけるように



春のななつぼし


言葉で描く、つばさを胸に



言の葉はきっと


言の羽にもなると信じて




春なずむ


風のハーモニカに



謳うつぼみは


新たな季節のプレリュード



見つめる未来を


切り拓いていくように



春のななつぼし


心に描く、つばさを広げて




















春の星座のおおぐま座は、3月頃から北の夜空高くに上り、ひときわ明るい七つの星、北斗七星があります。


北斗七星は、その形から日本ではひしゃく、海外ではスプーンに喩えられます。早花月さはなづきは3月、春告鳥はるつげどりはウグイスのことで、あめは、今の時期に降る雨のことです。


3月頃から咲くカモミールは、寒さや雨風にも強く、花言葉は「逆境で生まれる力」です。名前はギリシャ語の「大地のリンゴ」に由来します。


季節の星や花をモチーフに詩を描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
「春なずむ」「歩くいつもの交差点で」がいいですね。 「風のハーモニカ」も7つの音を表しているのかな、と思いました。 エメラルドのつぼみ、謳うカモミールたちが、メトロノームに従いながら運行しながらもリハ…
木の芽雨という言葉も好きです。 木の芽雨のしずくに煌めくエメラルドのつぼみが春への彩りへの期待が交差しながら風のハーモニカにのって心軽やかになるようですね。 新しい季節へのプレリュードをゆく風にゆれる…
リハーサルのない舞台のように 心に響きます。 三日月未来
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