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ってか、異世界で風呂入れるとかヤバくね?

「相変わらずいい風呂だったな」


お風呂から上がってきた東雲さんはモコモコな寝巻き……いわゆるジェラなんちゃらとかいう服に着替えていた。


これは東雲さんの要望に合わせて、僕が錬金術で作り出したものである。


また、この家の設備も比較的現代社会に近い施設を整えてあるのだが、これが可能だったのは僕の特性(タレント)であるイメージ錬金のお陰であった。


この世界では人それぞれに役割(ロール)と特性というものが与えられている。


僕の役割は錬金術師で特性はイメージ錬金。


東雲さんの役割は魔法騎士で特性はアイテム使いとなっていた。


イメージ錬金とは、その名の通り頭の中で何となく思い浮かべたものを錬成出来る力である。


必要な素材も浮かんでくるので、その素材を集めれば即座に錬成出来るし、イメージ次第で何でも作れてしまう強力な特性である。


しかし、代償として魔力を捧げなければいけず、高度なアイテムほど必要な魔力は大きくなっていく。


最高級の錬金アイテムや、僕たちよりも未来に出てきそうなアイテムに関しては、僕の魔力を鍛えた所で作るのは不可能であろう。


東雲さんの魔法騎士はその名の通りに魔法を使いながら戦える役割である。


一見すると強そうに聞こえるが、魔力が尽きると劣化戦士にしかならず、魔力も本職の劣化なので尽きやすい。


おまけにアイテム使いの特性はその名の通りにアイテムを使った時の効果を上げてくれるのだが、そもそも消耗品のアイテムは高く、駆け出しの冒険者がバンバンと使えるものではない。


どちらも大器晩成型の能力であり、これが東雲さんが奴隷堕ちしてしまった原因でもあった。


ただ、僕のイメージ錬金ならば初級の消耗品は簡単に用意することができ、錬金術を使った装備品はアイテム判定になるらしく、僕との相性は抜群と言えるだろう。


事実、僕が奴隷に堕ちた東雲さんを買い取り、コンビを組んで活動するようになってからは冒険は順調に進んでいる。


お陰で地の底にあった東雲さんの名声は幾許か回復しているのが救いであろう。


一方で錬金アイテムの納品で既に名声と金銭を得ていた僕の庇護下にあるお陰だろうという陰口がある事も知っている。


東雲さんは気にするなと言っていたのだが、一度奴隷まで堕ち、この世界の悪意に触れてきた彼女は無理をして無視しているように見えた。


彼女の心の傷は時が解決してくれるのを祈るしかない。


一方で早く彼女を奴隷から解放し、周りの人からも一目置かれるカースト上位だった頃の姿を取り戻してあげたい。


その為にはたとえ僕と一緒だからと言われても関係ない、高位の冒険者チームを目指す事。


その為に出来ることは何でもしようと改めて誓うのであった。

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