なんか安全になったっぽい?
「私の事情はそんなところですかね。
あとはお二人の聞きたいことに関してお答えしますよ」
「えっと……まずは一番聞きたい話からなんですが、洞窟で触手型の魔物を見かけたんです。
それからギルドで資料を調べたところ、モンスターによる女性被害の件数の多さに驚きました。
……ここはそういう世界なのでしょうか?」
「そうですね。
先程話した通りに、ゲームを作った会社が同じで世界がつながっています。
私は王道ヒロインゲームの世界に転生しましたが、同社が発売したアダルトゲームとも繋がっており、それがこの島を舞台にしたゲームだったんですよ」
「じゃあ、この島は特にそういう魔物が多いと?」
「多いですけど、ゲームのシステム的に服が破られない限りは襲われないので、賢者さんの錬金で損傷不可の特性を付ければ襲われないでしょう。
後は……アルネ、あのレシピはありますか?」
「ああ、これだろう?
賢者に渡し忘れていたのを思い出して持ってきておったぞ」
オリンさんに名前を呼ばれたアルネが、手に紙を持って現れた。
その紙には、僕でも簡単に作れるネックレスの作り方が書かれてあった。
「これは乙女のネックレスというアクセサリーのレシピです。
それを付ける事でその後に発展しそうな拘束攻撃は全て防ぐことが出来ますよ」
「ああ、普通にRPGしたい人向けの装備もあったんですね」
「あくまで効果は戦闘中なので、負けたら普通に危ないので気をつけてくださいね」
「ありがとうございます」
「これで賢者さんの悩みは解決ですかね。
雲母さんは何かありますか?」
オリンさんが雲母に話を振ると、今まで黙って成り行きを見守っていた彼女が口を開いた。
「うーん、特にないんだけど……あっ!
オリンって前はウチと同じ学生だったんだよね?」
「そうですね。
なので雲母さんの事はよく知っていますよ」
「ご主人の事は?」
「賢者さんの事は知らないですね。
多分、別のクラスだとは思うんですけど……流石に別のクラスの男子はよく知らないですよ」
「それは仕方ない事ですよ。
雲母と比べたらカーストの下の方にいた僕のことなんて知ってる方が驚きですし。
じゃあ、オリンさんが僕を賢者って呼ぶのは……」
「あはは、バレちゃいましたか。
街の人達がそう呼んでるからっていうのもありますけど、ぶっちゃけ名前を知らないからですね。
まぁ、今ではそちらの方が通りが良いので良いでは無いですか」