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アタシは気が短いんだよ

「は、え……つまり、どういう事?」


「いや、だからこの世界は魔物からそういう行為が行われるかもしれないっていう可能性が……」


この世界に来る前の世界、そこにいた兄はそういうゲームが好きで、そういう世界が好きでそのような世界があるという事も知ってはいた。


しかし、まさか自分たちが迷い込んだ世界がそんな場所だとは思うまい。


「うーん、それは分かったけど……なんでご主人はそんなに深刻になってんの?」


「そりゃ……雲母が危ないからだよ!」


今までは普通のRPGのように、安全を確保できる場所で戦い、功績を積めば良いと考えていた。


しかし、この世界がそういう世界であるのならば雲母を戦いに連れていくのはあまりに危険だ。


「ご主人……ウチのことを心配してくれるとか優しすぎ!」


「そりゃ心配だよ。

こうなった以上は冒険は僕だけでいくから、雲母はこの家でるすばうわぁ!?」


僕の言葉に感激していた雲母であったが、次に言った言葉で顔色が変わる。


僕の言葉の途中で無言で後ろから刈り取るように僕の足を払う。


そのまま背中から地面に倒れるかと思ったのだが、その途中で優しく受け止められた。


「ご主人、適当なこと言わないでよ。

こんなに弱っちいご主人だけで冒険なんて出来るわけないでしょ」


「でも、この世界は女性には危なくて……」


「っていうか、その考えが今更なんよね。

どの世界だって暴漢に襲われて、負けたら貞操が危ないなんて普通っしょ。

ここはゲームじゃなくて、現実の世界なんだから」


「そ、それはそうだけど……」


「ウチはご主人の奴隷だよ。

ご主人のいくところには絶対についていくからね。

アイツにも聞いてみて!」


雲母はそう言って腕輪を取るように促した。

何も言えなくなった僕は無言で腕輪を外すと、きらら……東雲さんの雰囲気が一気に変わった。


「……ったく、面倒なことにアタシを巻き込むんじゃないよ」


「ご、ごめん……やっぱり東雲さんはここで安全に暮らした方がいいよね」


「はぁ?いつアタシがそんなこと言ったよ」


「いや、でも……そんな襲われ方をするかもしれない世界を旅するなんて嫌でしょ?」


東雲さんならばそんな面倒なことは僕に任せて、ここでぬくぬく過ごすことを選ぶだろう。


この時の僕は本気でそう信じて疑わなかった。


だが……


「お前だけに任せたらいつこの状況が片付くか分からないだろ?

アタシはそんなのをじっくり待つほど気が長くないんだよ」


返ってきたのは意外すぎる言葉であった。

ぶっちゃけるとエロゲー設定はあんまり本編には関係してきません。

実はお蔵入りにしている前日譚の話があり、そちらの方で少し活きていた名残りです。

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